経験者インタビュー

声に出せば助けてくれる、
周りには応援してくれる人がいる、
人に頼ることを学びました

西村忠祐さん
一般社団法人みんにこ
一般社団法人みんにこは、三重県四日市市内で外国をルーツとする住民が最も多く住む笹川地区で、地域の高校生が主体となって多文化共生をテーマとしたまちづくりに取り組み、一緒にいることの楽しさを伝えていく団体です。
高校生と楽しい時間をすごせたら、と始めた活動ですが、一緒に活動してくれる人を増やすには活動を知ってもらわないといけない、お金を回すためには助成金をとるなど収入源を確保しないといけない、などの悩みを抱えていました。これらの悩みを解消しようとGRANTにプロジェクト登録した「みんにこ」代表の西村忠祐さんにお話をお聞きしました。
いつも相談にのってくれる団体さんの紹介でGRANTを知りました
「みんにこ」を始めたころからお付き合いのある、市の委託を受けて地元の活動をサポートしている「四日市市なやプラザ」さんに、抱えている悩みを相談したところGRANTを教えていただき、藁にもすがる思いで登録しました。
お世話になっている「なやプラザ」さんの紹介で、GRANTの制度を説明してくれたのが四日市市の市民協働安全課だったので、安心して利用できました。これまでに、2つのプロジェクトをお願いしました。
プロジェクト1.ホームページリニューアル
ひとつめの悩みはホームページでした。自己流で作ったホームページがあったのですが、作りっぱなしで更新できておらず、フードパントリーなどコロナ後の新しい活動もアップできていませんでした。一緒に活動するなかまを増やすために、興味をもってくれた人に理念や活動内容がきちんと伝わるホームページにリニューアルしてくれる方を募集したいと思いました。高校生たちの取り組みを一緒に応援してくれる方が来てくれるといいなと、プロジェクトに登録しました。

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こちらの思いを期待以上の形に
最初にエントリーしてくれた方とコンタクトを取りこちらの要望を伝えたんですが、ホームページで何をどう伝えたいのか、こちらの思いがはっきりしていない状態だったので、それがないと形にできないと言われました。その経験から、ホームページを作るには、まず思いを固めないといけないんだという気づきを得ました。
次にエントリーした方に、まだ思いの整理ができていないんですけど、と相談したらその方は、「前に関わったプロジェクトで、そういうところから一緒に団体さんと立ち上げた経験があるから、きっと力になれますよ」と言ってくれて、こんなにうれしいことはなかったです。

打ち合わせの中で「ここ悩んでいるんだけど」と言ったら、「僕はこういうことができるから、こんな風にやることもできますよ」というように提案をしてくれて。「みんにこ」のフェイスブックやインスタも見て、「インスタにあったこれをホームページに載せたらどうでしょう」と提案してくれたりもしました。

最初は僕とその方(マスターと呼んでいます)との2人だけのやりとりでしたが、形が見えてきてからは、高校生と僕がやりとりするLINEグループに入ってもらって、僕らのやりとりを横から見て「こんなこともできると思う」と提案してくれたり。こちらがこうしてほしいといったことを期待通りの形にして返してくれ、客観的目線で意見もくれて、すごくいいページを作ってくれました。テストページも団体のメンバーが見られるように設定してくれて、みんなの意見を吸い上げて反映し、公開までもっていってくれました。ただただ感謝です。
第三者の目でのコメントありがたかった。こちらとしてはいろいろ外部に伝えているつもりが、見せる意識が足りず、全然伝わっていなかったことをマスターに教えてもらいました。

リニューアルしたホームページ
GRANTのプロジェクトが終了した今も、マスターはホームページの更新に携わってくれています。高校生と直接、自己紹介のページをつくりたい、この写真を載せたいといったやりとりをしてくれて、高校生たちは、自分が言ったことが形になってホームページにアップされるので、とても嬉しそうです。
更新の今後についてマスターは、高校生の中から担い手を見つけて引き継ぐまではめんどうみるよ、と言ってくれています。引継ぎの時にはマスターに四日市まで来てもらい、高校生たちと顔をあわせて感謝の気持ちを直接伝えたい。それだけはしたいと思っています。
プロジェクト2.会計処理のアドバイス
もうひとつの悩みは会計処理でした。以前助成金を申請したときに、「こんなに飲食にばかりお金を使っている団体には助成は難しい」と言われたんです。うちの団体は事務所がないので、活動に参加してくれる高校生たちとの会議は、飲食店でご飯を食べながらするんです。そのご飯代とか、イベントのときに「来てもらってありがとう」と渡すお菓子や飲み物のお金などを、会議費や消耗品費で処理していたのでそう見えたんですね。
飲み食いばかりしている団体に助成はできない、という判断はよくわかる。でも、アルバイトにいけばそれなりの給料がもらえるところを、時間を割いて活動に来てくれている高校生たちにご飯代も出せない、ということにはしたくない。どうしたらいいんだろうとすごく困っていました。
GRANTの資料には、専門家がボランティアで会計処理のアドバイスを行った事例もあると書いてあって、そんないい仕組みがあるのかという期待感と、そんな都合のいい話はないよなという不安感が入り混じる中、プロジェクト登録をしました。

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1年間ひとりで悩んでいたことが、すっきり解決
そうしたら本業で経理をしている方がエントリーくださって、飲食代の会計処理について、自分なりに、ああしたらどうか、こうしたらどうかといろいろ考えていたのでそれを相談しました。すると、「その方法はNGです。ちゃんとわかりやすい会計簿にしたほうがいいです。会議での飲食費も活動に必要なお金なのだから、活動費として認められます」と教えてくれました。同様に、消耗品費で処理していたフードパントリーでのスタッフの昼食代も「フードパントリーの活動費としたらいい」と。実際そのように計上してみると、飲食ばかりにお金を使っているという印象が無くなるだけでなく、活動別にかかった費用もきちんと把握できるようになりました。

そして会計簿用のエクセルを作ってくれました。それまでは、この助成で使うのはこの会計簿、こちらの助成はこの会計簿と、助成金ごとに別々に作っていたのですが、それをひとつにまとめた上で、ボタン一つで切り替えができるよう整えてくれました。Zoomで3回お話ししましたが、そのたびに目から鱗。そんな難しい表が簡単にできるんですかと聞くと、「ここをこうするとこうなって、ボタン一つでこういう処理ができます」と目の前で見せてくれて。去年1年間ああでもないこうでもないと一人で悩んでいたあの時間はなんだったんだというくらい、すっきり解決。プロってすごい、を学びました。

会計は団体の命で、助成が受けられなかったら活動が継続できません。その適切な処理を教えてもらえたので、とても大きな安心感が得られました。今週末に大きな費用が必要となるイベントをするのですが、思い切って費用をかけてもいいと判断できたのは会計簿がしっかりしたから。大きな費用をかけてもきちんと報告できるという安心感があったので、踏み出すことができました。これから「みんにこ」の活動が大きくなっていく、その土台を作ってもらえました。安心感をいただけて本当に感謝しています。
GRANTは専門家に助けてもらえる力強い存在
慣れないことで一人もがき苦しむより、声を出すのがとても大事。声に出せば助けてくれる人がいる、周りには応援してくれる人がいる、ということが、今回GRANTに応募しての大きな学びになりました。自分だけではできないことも人に頼ることでできるようになる、やりたいことを形にできる、と感じられたのも大きな収穫でした。

GRANTは、専門家に助けてもらえる力強い存在です。参加を検討している団体さんには、ぜひ飛び込んでほしいです。僕もまた困ったことが出てきたら、間違いなく相談します。

※掲載内容は2023年4月取材時点のものです。