経験者インタビュー

当初の募集は一つのプロジェクト
3つに切り分けたことで
3人の方との新たな出会いに!

倉林孝明さん
みんなのみたか
「みんなのみたか」は、東京都三鷹市を拠点とし、子どもたちを中心とした多世代交流を深めることを目的として活動している地域団体です。
2021年に東京ホームタウンプロジェクトでの支援を活用して「みんたかサロン」を立ち上げました。
親子で一緒に楽しむイベントの開催に向けて企画やチラシ作成を準備するなかで、支援内容を3つに分けて募集を行い、3人の方からの支援につながりました。GRANT活用にあたって心がけたことや、具体的なプロジェクトの内容に関して代表の倉林さんにお話しを伺いました。

※写真は「みんなのみたか」のみなさんと。右から二人目が倉林さん。
イベントの企画運営をプロボノと一緒にやりたいと考えました
東京ホームタウンプロジェクトで支援を受けた後、実際に個別の案件をどのように運営していくかを悩んでいたところにGRANTの話を聞いてお願いしようと思いました。具体的には、2022年9月のイベントの企画運営をプロボノの方と一緒に考えたいということが今回の登録のきっかけでした。イベントの日程が近づいている中、随時募集できるGRANTは魅力的に思いました。

私たちの団体は高齢化が進んでいます。新しい人が入っていないこともあってマンネリ化して活力がなくなってきたことが問題と考えており、それらの課題を外部の力を借りて乗り越えたい、幸いにも団体に新しいメンバー2名が入ってきたのでその人たちが継続して活動を続けられるような居心地のいい会にしたいと思っていました。そのためには、若い人の視点から会を見直したいという思いがありました。

GRANTはオンラインを活用する仕組みです。団体の活動にITをどんどん取り入れた方がいいと言われますが、会員の中には体がついていかない人もいます。それを越えていくためには基礎知識を持っていないと高齢者にはしんどいです。言葉のひとつ一つをとってもマニュアルを見て理解しないと次のステップに進めない。そうしたなかでコーディネーターである東京ホームタウンプロジェクト事務局の方々に、丁寧に教えてもらって進めることができました。
パパママ世代からの情報提供の機会になればと思いました
9月のイベントとは、第21回みたか市民活動・NPOフォーラムの企画で、「みんたかサロンで、親子一緒に楽しもう!!」という親子を対象としたものでした。そこで、子どもたちにとってどんなイベントがいいのか、子どもたちのニーズを親御さんから聞いて把握したい。そのためには、どうしたらパパママから情報提供してもらえるかがハードルと思い、今回が親世代の方にお手伝いしていただく機会になればと考えていました。

イベント開催に向けて、GRANTでプロジェクト1件、オンラインセッション2件、合計3件実施しました。実は、最初はやって欲しいことをまとめて「一つのプロジェクト」として募集しようと思い、その形で募集を行いました。私たちの狙いとしては、準備の時間が短かったのでイベントの企画からチラシ作成までを一気通貫でできればいいと考えていたのですが、結果、エントリーがなかったので東京ホームタウンプロジェクト事務局の方に相談したところ「プロジェクトを分けてみては!」というアドバイスがありました。内容を小分けにして募集したところ、結果として「それだったら」とやってくれる人が現れて3つの募集でマッチングとなりました。

※オンラインセッションとは、オンラインによる1時間程度~半日程度の「相談・アドバイス」「技術的な解説・指導」「課題整理」等の支援のことです。
1.イベント企画のオンラインセッション
3つの内容について振り返りたいと思います。一つ目はオンラインセッションで、イベントの企画についての相談でした(「親子で楽しむ・あそぶ」イベント企画のアドバイス)。

支援募集記事:「親子で楽しむ・あそぶ」イベント企画のアドバイス

もともとイベントでは、ラジオ体操、皿回し、朗読、江戸小話など団体内の部会が行うさまざまな活動紹介をすることを考えていましたが、支援してくれた方からは、子どもたちが実際に舞台に上がったり、遊びの指導を受けるなど、子どもたちとお父さんお母さんが一緒に参加する「体験型」のイベントにしてはどうかと提案がありました。
そのうえで、子どもと親が体験できること、非日常的な体験、家では体験できないことの3つのイメージを提案してくれました。
これまでは、自分たちで楽しむことに力が入ってしまうところもありましたが、今回は、子どもたちをどう巻き込むかを考えるチャンスをもらったという点では非常に良かったなと思います。
2.チラシ作成のプロジェクト
次は、イベントのチラシの作成のプロジェクトでした(9月開催の「親子で楽しむ・あそぶ」イベントのチラシの作成)。

支援募集記事:9月開催の「親子で楽しむ・あそぶ」イベントのチラシの作成

団体のチラシは従来、私が作っていましたが、デザインが堅苦しかったと思います。なので、親子で楽しめるようなチラシにしたく、こんなチラシだったら親御さんも子どもも読んでくれる!というチラシの作成の支援を募集しました。

このプロジェクトは育休中の方が手を挙げてくださいました。約1ヶ月のプロジェクトで、打合せを複数回行って作成いただいたチラシは、僕が考えてなかったような斬新な提案で、団体のみんなも喜んでくれました。今までは自分がパワーポイントで作ったチラシを一般のコピー機で印刷していましたが、今回はネット印刷の手配までお力添えをいただき、費用も安く、きれいな印刷物をいろんな人に配る事ができて嬉しかったです。今後のイベントでも修正して使えるようにパワーポイントで納品してもらったことも有難かったです。

※チラシ作成プロジェクト支援者の松尾恵さんのインタビューは、こちらからご覧いただけます。
3.イベント運営のオンラインセッション
3つめの募集はオンラインセッションで実施しました。それまで、プロボノワーカーお二人の話を聞いてイベントの部会の中で実際にこうやってみようという提案を考えましたので、それについて意見を聞きました(「親子で楽しむ・あそぶ」イベントの運営アドバイス)。

支援募集記事:「親子で楽しむ・あそぶ」イベントの運営アドバイス

自分たちの発案したものが若い人に受け入れられるかどうか確認するための壁打ち相手になってもらって企画を修正していきました。支援者は子育て中の大変忙しい方ということもあり、一日で完了することが難しかったので、1日1時間、2日間のセッションとなりました。私たちが考えた案は8つあったので1日4案についてこちらからお話をしてコメントをもらいました。

例えば、江戸小噺のカルタとりは舞台上で何をやっているのかがわかりにくいので、平場でやりましょうとか、子どもたちは舞台に上がって読む時にはカンペの方がみんなの目線が一致していいという提案など、取り入れやすいアイデアをいただいたので、実際に実行しました。また、親御さん側の視点としてヒットする言葉がでてきて、こちらの意図する具体的な言葉を聞かせていただけたことは良かったと思います。子育て世代のママの言葉が聞けて良かったです。
町の中では関わることができない人と出会う機会に
3つの支援について、すべてこういう方に支援していただけたらと期待していた子育て中の方に参加いただいたことはよかったです。住んでいる町の中でそういう人を探すのは大変ですし、お一人は大阪在住の方でしたが、オンラインを使った打ち合わせができたこともよかったと思います。

GARNTの仕組みによって、離れた地域の人とマッチングして普段付き合っていない人と話ができます。こういう機会がないと関わることができない人と出会えたことが素晴らしと思いました。
希望は具体的に、リクエストはシンプルに
支援を受け入れるにあたってやって良かったと思っていることは、事前の準備でした。自分たちの会のメンバーが意識を一つにする為には、整理をしないといけない。そういうことを事前にやっておくかどうか、短期間なので整理をされていればいるほど、相手によく伝わります。事前準備を入念にすればするほど成果に結びつきやすいと考えていました。

また、希望は具体的に伝えないと、受けた側も何をアウトプットすれば良いかわからなくなります。リクエストはシンプルに、そして、抽象的な言葉ではなく、こちらが望んでいることを具体的にお話して共有することを心がけました。団体側では、支援の中でここまで出来たらいいというゴールイメージを考えておくことが大事と考えていました。

今後は子どもだけではなく親御さんも参加できるイベントを開催して参加者を増やしていきたいです。イベントの見せ方の工夫等も含め、どうやったら子どもたちの心をくすぐることができるかをこれからも考えていきたいと思います。


※掲載内容は2023年4月取材時点のものです。