経験者インタビュー

専門的なスキルの力をお借りする
という気持ちで申請
参加者台帳から年次報告作成が可能に

鈴木孝恵さん
松戸市元気応援くらぶ「ハーブガーデンからふみ出そう!」代表
PROFILE
介護予防と健康寿命の延伸を目的に、自宅の庭(ハーブガーデン)を提供して、水やり等植物の世話や茶話会等の活動を行っている「ハーブガーデンからふみ出そう!」の代表を務める鈴木さん。自治会や医療、教育機関とも連携しながら、地域に根差した活動に取り組んでいます。
千葉県松戸市では、介護予防の推進を目的に、「元気応援くらぶ」という通いの場の立上げや運営が推進されています。2020年6月現在、地域住民によって市内64カ所で、元気応援くらぶが運営されています。今回は、「GRANT」を活用して、参加者管理と年次報告書作成の効率化のプロジェクトを依頼いただいた元気応援くらぶ「ハーブガーデンからふみ出そう!」代表の鈴木さんにお話を伺いました。
多くの時間と労力を割いていた報告書作成の効率化を依頼
元気応援くらぶ「ハーブガーデンからふみ出そう!」を運営しています。介護予防と健康寿命の延伸を目的に、個人宅の小さな庭を提供して、参加者の方々が年を重ねながらも身近に植物を取り入れ、世話をすることによって、無理なく体を動かせるような活動を行っています。庭のハーブ、花や簡単な野菜などの水やりなどの世話をしたりちょっとした茶話会をしたり、見学がてら近隣の庭のあるカフェなどへ散歩をしたりして、世代や国籍などを超えた様々な住民が交流をしています。毎週日曜日を庭の開放日としていますが、他の日にも自治会や医療関係者とのイベントをほぼ毎月1回開催しています。
「GRANT」に応募したのは、松戸プロジェクト*を通して、プロボノ活動を知ったことがキッカケです。2018年に、ハーブガーデンの魅力を伝え、より多くの方に足を運んでいただけるよう、プロボノでFacebookページの立ち上げを支援いただきました。そのプロジェクトを通じて、私自身もプロボノ活動への魅力を強くを感じましたし、学ぶことが多く刺激もたくさんもらえました。Facebookを立ち上げた後も、困っていることは色々とありましたので、その一つとして、今度は「GRANT」を通じて「報告書作成の効率化」をお願いしました。
専門的なスキルの力をお借りするという気持ちで申請
プロボノは大変興味深い活動で、現代の今も人々の心底に流れている「善」がつながれるすばらしいプロジェクトだと思っていますので、「GRANT」の活用にも特に不安はありませんでした。「報告書作成の効率化」に関しても、専門的なスキルの力をお借りする、という気持ちで、プロジェクトに申請しました。

当団体は、松戸市認定の「元気応援くらぶ」の一つの団体として住民主体で元気(健康)づくりの活動を行っています。市からは万一のケガなどを補償する保険や情報提供などのサポートを受けており、年度末に実施報告書を提出しています。 「GRANT」には、イベントごとの参加名簿から自動集計する実績報告書の添付書類を支援いただきました。当団体は、先述したように、定期的な基本の庭の開放日の活動のほかにも生き物相手ゆえ近住のボランティアによって植物の世話の活動がかなりの頻度で行われています。加えて、様々なイベントを他団体とコラボで実施することも多く、開催内容や参加者も様々で、イベントによって記録の仕方も複雑になります。

これまで、イベントごとの参加者名簿から、報告書用にコピー&ペーストして年度末の資料を作成していたのですが、活動実施回数が多く多岐にわたるため、作成での集計作業に多くの時間と労力を費やしていました。
当会の活動状況や事情が反映された成果物
プロジェクトにエントリーいただいた方は、岩原さんという、ご自身も以前プロボノ活動経験のある方でした。まず、当団体がどのように参加者名簿やイベント実施の記録、報告書作成をしているのか、実際に足を運んで、効率化の方法をよく考えてくださるご姿勢でした。こちらの事情をしっかり把握しようとするだけでなく、ご自身のスキルについても説明いただきました。そうした落ち着いたコミュニケーションができる雰囲気の中で、改めて当団体が直面する困難点、入力操作など細かい点も含めて、建設的にお話できたと思います。 プロボノワーカーの方が進行表を作ってスケジュールを明示化してくれました。対面の打ち合わせはこのタイミングで、と互いに話し合って決めることができました。打ち合わせは2回で、そのほかはメールでのやりとりが基本でした。

成果物としては、実施イベントと参加者名簿(新規参加者の追記も含む)、そして、その参加者名簿から月次報告書と年間報告書として参加実績を自動集計できるエクセルファイルを作成いただきました。年度末の報告書が簡単に作成できる仕組みになっています。おかげで、これまでまとめるのにかかっていた時間が大幅に減り、大変助かりました。昨年度、早速このエクセル表を活用させていただいて、市に報告書を提出しました。

そのエクセル台帳を作成の過程では、仮のデータを入れて送ってくださり、それに私が実際の名簿の情報を入力してみて、結果うまくいかなかったところをお伝えして修正していただく、というやりとりをしました。関数の設定や、編集してよいセル、そうではないセルなど、細かい点も確認しながら作成されています。実は、私はエクセルを使うのは得意ではありませんでしたが、使っているうちに、だんだん慣れてきて、このこと自体が新たな学びとして刺激を多々受けました。また、入力に際してのマニュアルも作成いただいたので、わからない時にはいつも参照しています。台帳は、とてもシステムチックに考えて作成くださったので、使い方になれれば、もっと効率的な活用も可能だと思います。

決まった型の活動であればそれほど参加数の報告など難しくないのかもしれませんが、当団体の活動は、アウトドアの庭活動を基本としながらも、イレギュラーな活動も多いです。ですが、そのことによりコロナ禍の今日でも活動を柔軟に継続できています。その一方で、時々に応じた開催回数や参加人数などの実績記録は煩雑になります。 そのような活動の実際をじっくり聞いて、真摯に誠意あるボランティアとして関わってくださったプロボノワーカーの岩原さんには心より感謝しています。
同じことで困っている他団体さんにも応用いただくのが次のテーマ
おそらく、同じ苦労をしている団体は他にも多いのではないでしょうか。この報告書作成のためのエクセル台帳は、当団体の活動形式にあわせて作成されましたが私としては、他の団体にも、このフォーマットを使って応用活用していただきたいとも思っていますもちろん、団体によって活動形式は様々ですし、当団体の状況を反映したものがすぐに他団体にも使えるような汎用性あるものかどうかは分かりません。

「元気応援くらぶ」の運営者には年配の方も多いので、手書きで記録されている場合も多いと聞きますが、まずはパソコン利用に慣れる手習いのような形でプロボノの方に指導いただく交流も含めたら、より広く応用できるような気もします。新た生活様式に順応するにつれて、使っていただけるようになればという気持ちです。プロボノ支援を活用して、地域で様々な活動がより活発に展開されることを願っております。

※掲載内容は2020年6月取材時点のものです。