経験者インタビュー

コーディネーターの方に
背中を押されたことで
最初の一歩を踏み出しました

植田園子さん
一般社団法人ROWJ外国人女性支援協会
一般社団法人ROWJ外国人女性支援協会は、2019年より活動をスタート、2023年に法人化しました。東京都府中市で母国を離れて生活している外国人女性を支援する活動をしている団体です。
ROWJ外国人女性支援協会さんは、団体紹介パンフレットと活動案内チラシの2つのプロジェクトに取り組みました。代表をつとめる別団体でもGRANTを活用している、代表の植田園子さんにGRANT活用のきっかけやコーディネーターとのかかわりについてお話しを伺いました。

※写真はバングラデシュの方と
コーディネーターから強いおすすめがあったことがきっかけです
わたしは東京都府中市で外国人児童生徒に日本語を教える仕事をしています。子供たちの保護者のお母さんたちとかかわる中で、母国を離れて生活している外国人の女性の支援の機会が増えてきました。最初は日本語教師の有志のボランティアとして2019年から活動をスタートしたんですけど、子ども食堂やフードバンクなどのいろいろな場で、さまざまな人と連携しながら支援したいと思って今の団体を作りました。外国人の女性の方々からの相談を受けて関係機関につなげるなど、できることはお手伝いしています。

2023年の一般社団法人化にあたって、アフガニスタンの方より教えていただいたダリ―語の言葉「Rawzana e Omido(ラウザナ イ オメード)」を団体の名前に使うことにしました。この言葉は「暗闇の天井にある一筋の光が射し込む小さな窓(希望の窓)」という意味です。私たちの活動が外国人女性たちの「希望の窓」となるようにという願いを込めてROWJ外国人女性支援協会(Rawzana e Omido Women Japan)という名称で活動しています。

GRANTを知ったきっかけは府中市市民活動センタープラッツ(以下、プラッツ)さんから教えていただいたことです。プラッツさんはちょこっとプロボノ@府中としてGRANTのコーディネーター登録をしていまして、顔見知りのプラッツの方から「こういうサービスがあるのでぜひ利用されるといいですよ」と教えていただきました。最初はよくわからなかったんですけど「スキルを持った方が手伝ってくださるんでいいと思いますよ」って強くおすすめいただいて「使っていくうちにわかると思うからまずは登録してみたら」と言っていただいて始めました。
日本語教師の活動は「府中JSL学習支援の会」という別団体を立ち上げていましてそちらでもGRANTを活用し、3つのプロジェクトが完了しています。2つの団体でGRANTのお世話になっています。
団体の活動紹介のパンフレットのプロジェクト

支援募集記事:活動紹介パンフレットの作成

最初のプロジェクトは「活動紹介パンフレットの作成」です。日本人向けのものと外国人向けのもの、二つの印刷物を作ることを考えていた中で、GRANTでは成果物ごとに別のプロジェクトで募集すると聞いたので日本人向けと外国人向けそれぞれを別のプロジェクトでお願いした形になりました。

外国人の方がつくる手芸品をバザーで販売しているときに「団体のパンフレットはないんですか」と聞かれることがよくありました。団体のメンバーと「パンフレットを作らないとね」と言っていたときにちょうどプラッツの方から「こういうサービスがあって、すごく上手につくってもらえますよ」と教えてもらったので、じゃあということで申し込みました。パンフレットの中にいろんな情報をわかりやすくきれいにまとめていく作業は素人ですとちょっとグチャグチャになってしまうので、すっきり作っていただけたらという期待がありました。

4人のプロボノの方がチームで支援してくださいました。最初はZoomで1時間ほどお話しをして、私たちの団体の活動内容を説明し、協力や寄付をしてくださる方に向けたものを作りたいといった目的をお伝えしました。府中市にはアフガニスタンからの退避家族が多くお住まいなのでそういうお話しもしました。チームの方々の自己紹介を伺って、デザインが得意だったり、マーケティングのお仕事をされて情報整理の専門性が高かったりとたいへんプロフェッショナルなお仕事をされている方たちばかりということがわかって、すごくありがたいと思いすぐにお願いすることにしました。最初にZoomでお話しして以降はメッセージのやり取りのみで進みました。こちらは約2カ月で完了したプロジェクトです。
すごく簡潔にまとまったパンフレットを作ってくださって、完成後はさっそく印刷してイベントで配布しています。これからはプラッツにも置いていただこうと考えています。

最初におおまかなタイプのサンプルをいくつか送ってくださって、その中から「やさしい感じで作りたい」と選びました。こちらで作った文章や写真素材を渡して情報を整理しながらはめていただいて、言葉の微調整や写真の差し替えを行いながらスムーズに進行していったと思います。

成果物(活動紹介の三つ折りパンフレット)


パンフレットの表紙は名刺がわりにも使えるものです。団体名の意味にもなっている「一筋の光」の絵についても、チームの方がどこからか探してイメージにぴったりのものを入れてくださいました。よく見つけていただいたと思いとても嬉しく思っています。
外国の方に向けた活動案内チラシのプロジェクト

支援募集記事:外国人向けの活動案内チラシの作成
活動紹介パンフレット完了後に、外国人の方に向けてこういう活動を私たちはしていますよと知らせるためのチラシを作りたいと思ってお願いしたのが「外国人向けの活動案内チラシ作成」のプロジェクトです。

成果物(外国人向けのチラシ、A4サイズ)


こちらのプロジェクトは企業にお勤めの女性の方が個人で支援してくださいました。「普段は仕事をしているので取り組みや連絡が土日になってしまいますし、スケジュールがタイトだと厳しい面もあるのですが、このような女性支援の活動に興味があるので手伝わせてください」と言ってくださって。プロジェクトが始まってからもお仕事の都合から「仕事がすごく忙しい時期なので1か月くらい待っていただけますか」というご連絡があったんですけど、こちらも別にいつまでに完成したいということがあったわけではなく完成したら配布できたらいいなっていう感じだったので、作ってくださる方のスケジュールに合わせて進めていきました。

外国人の方は英語圏の方ばかりではありません。アラビア語だったり、ペルシャ語だったり、タガログ語だったり母国語はさまざまなので「英文での説明というよりは『やさしい日本語』で、ひらがな表記で作りたい」とお話ししました。基本的には難しい言葉は使わないで「分かち書き」といって言葉と言葉の間にスペースを入れて欲しいとか、漢字が読める人もおり、全部がひらがなやルビは逆にわかりにくいので、簡単な漢字を入れてひらがなも入れて短い文で完結にとお願いしたら、こちらの意図を汲んで文章も全部考えて写真も提案くださったのでありがたかったです。
コーディネーターのサポートで最初の難しさをクリア
もともと、任意団体としてプラッツさんに登録していました。プラッツさんからGRANTについて紹介いただいたときは、印刷物を作りたいと考えていた時期でもあり「ぜひ」と思ってお願いしました。

最初は、よくわからないところも多かったのですが、プラッツの方が「わからなかったら手伝うのでぜひ利用されるといいですよ」と言ってくださった言葉に背中を押されたように思います。あのまま「こういうのありますよ」で終わっていたら、もしかしたらそのままだったかもしれません。今でも、プラッツを通りかかると、状況どうですかとか、うまくいってますかとか声をかけてくださって安心します。
慣れれば使いやすいシステム。これからも活用していきたいです
GRANTはお仕事で培ったスキルを活かしたボランティアとして活動に協力していただけることがすごくいいと思います。私たちは最初の団体登録がちょっとうまくいかなかったのですが、コーディネーターのプラッツの方に手伝ってもらいました。初めてのときは、どうやっていけばいいのかなって迷うことがあるかもしれないんですけど、慣れればすごくスムーズに使えるいいシステムだと思いますし、コーディネーターの方もサポートくださるのでぜひトライしてみるといいと思います。

現在、私がかかわっている外国人の子供たちへの日本語支援の団体「府中JSL学習支援の会」では法人化の手続き中です。こちらに関連することでさらにいろいろご相談できる機会があればと思いますし、チラシの作成も検討しています。GRANTのサイトでプロジェクトを見ていると「助成金の申請のサポート」や「決算のことを教えてください」とか書いていらっしゃる募集もあるのでそういう内容もお願いできるありがたいサービスと思っていろいろ考えているところです。


※掲載内容は2023年12月取材時点のものです。