経験者インタビュー

飛び込んだ最初のプロジェクトで
日頃の仕事で培った
パワーポイントのスキルを発揮!

松村健次さん
IT企業勤務
PROFILE
IT企業でシステムエンジニアとして勤務している松村さん。最初のプロボノプロジェクトでは、仕事で培ったパワーポイントのスキルや要件整理の経験を活かしたプロジェクトに取り組みました。
※松村さんのGRANT参加実績はこちらからご覧いただけます。

子供たちの未来が良い社会になることを願って、社会や地域への貢献、ボランティア活動へ関心が向き始めた松村さん。2023年4月のGRANT登録後にエントリーした最初のプロジェクトとの出会いや進め方についてお話しを伺いました。
子供の誕生と成長をきっかけに「ボランティア」への関心が生まれました
仕事はIT企業のシステムエンジニアです。普段はプロジェクトマネジャーとしてスマホアプリの開発を担当しています。
子供が2人いて、上の子が3歳、下の子が1歳なんですね。最初の子供が生まれた頃はすごく仕事が忙しくて、私自身あまり子供の面倒を見ることができなかったんです。けれど、2人目が生まれた頃は仕事も落ち着いてきたこともあって、自分たち家族だけが良ければいいという考えではなく、子供たちが生きていく未来、そのまわりの社会を含めてより良くしていきたいというところに興味が出てきました。そこで、社会や地域に対して貢献できることがないかと考え始めたのがボランティアに興味を持った最初になります。
自分に「特別なスキルはない」と思っていた中で出会ったプロジェクト
それまではボランティアの経験が全くなく、いろいろ探し始めて最初に取り組んだのが今回お話しするプロジェクトです。

支援した団体はコーディネーター「ハマボノ・オンライン」「プロジェクトjinboku実行委員会」さんです。横浜市神奈川区の神北地区にある10の町内会・自治会の連合組織として地域を良くするために活動されている団体さんです。今回のプロジェクトは地域のマップを作るということで、団体さんの方で以前から検討されていた内容を整えるという内容でした。(プロジェクト「地域のMAPを作成してくださる方(具体的なレイアウトあり)」

支援募集記事:地域のMAPを作成してくださる方(具体的なレイアウトあり)


参加するプロジェクトを探していく中で、自分には、例えば会計の知識とか、ホームページを作るといった専門的なスキルはなかったので、とりあえず特別なスキルが必要でないもの、自分にとって高いハードルだと感じないものから探してみたというところになります。
こちらのプロジェクトは「パワーポイントで作成」と募集記事にあったことから注目しました。パワーポイントでしたら仕事の中でも毎日使っていましたし、得意だったので飛び込めるかなとも思えましたのでそんなところからエントリーしました。
コミュニケーションが深まる中で不安が薄れていきました
プロジェクトに一人で参加して支援するということについては、不安がなかったと言ったら嘘になると思います。最初に取り組んだプロジェクトでしたし、本当に右も左も分からない、ボランティアとしてどういうこと求められてるかもわからないことだらけではあったんですけど、ただ、「やってみないと何事もわからない。とりあえずやってみよう」と思って飛び込んでみたというところが大きいです。

最初に団体さんとお会いしたときはすごく緊張しました。どんな方がいらっしゃるのかというのはすごく不安があったんですけど、ミーティングに出てきてくださったお二人がすごく落ち着いて私の話を聞いてくださいましたし、皆さんの思いをちゃんと伝えながらすごくスムーズにコミュニケーション取ってくださったので、そのミーティングを経たことでプロジェクトに対する不安はなくなっていった感じがありました。
丁寧なコミュニケーションでプロジェクトを進行
プロジェクトでは最初にキックオフミーティングという形で顔合わせを行い、そこで「どういうことやりたいのか」という目的について会話しました。
その後に、私の方で日程と何をやるのかっていう作業一覧を作って、いつまでに何をするという工程を完了まで見えるようにし、それをスケジュール通りに消化していく形で進めていきました。基本的には、コミュニケーションはメールでやり取りをし、ミーティングはオンラインで進めながら成果物を作り上げていきました。

プロジェクトのスケジュール


私がプロジェクトに参加する前から、団体さんの中では「こういうものを作りたい」という話し合いは進んでいて、パワーポイントである程度は作られてはいたんです。
ですが、キックオフミーティングで成果物を作る目的などを伺うなかで「それならば、もっとこうした方がいいんじゃないですか」と気になった点をお話させていただきまして、目的を含めて改めて団体さんの方でもう一度考えていただくことになりました。大幅な作り直しということではなかったんですけど、ブラッシュアップしてより良いものが作り上げられたように思います。

仕事の場面でも「システム開発で発注サイドが何を作って欲しいかをうまく言葉にできていない」ということが経験上ありました。本当にやりたいことや目的に対してその成果物がふさわしいかといったポイントについて、繰り返し話を伺うことや、最初に丁寧にコミュニケーションするところが一番工夫が必要な点かなと思います。団体さんの目的が達成できる成果物を提出しようと思って取り組みました。
団体さんと一緒に目的を確認しながらより良い成果物を目指しました

プロジェクトの成果物



最初に「このマップは神北地域内にある障がい者向けの施設を健常者の方々含めた地域の皆さんに広く知っていただくことを目的に作ろうとしているんです」というお話を伺いました。そういった目的を考えたとき、団体さんがもともと考えておられた「マップのプラン」には、ものすごくいろいろな要素が詰めこまれてしまっている印象が強かったんですね。
何にフォーカスを当てて説明したい資料なのかが分かりにくい状況でしたので、内容をもう少しさっぱりさせて、注目すべきものだけを目立たせるような形で検討し直していただいたのがプロジェクトの成果物です。マップの裏面は、施設の一覧を連絡先の電話番号を含めて紹介していくような資料になっています。
プロジェクト完了後は、印刷して地域内の皆さんへ5,000部を配布されたと伺っています。

団体さんよりプロジェクトについて伺いました

まずやってみる! 最初の一歩を踏み出してみませんか?
全てのプロジェクトに当てはまることではないのかもしれませんが、団体さんにはミーティングの時間は平日の夜や土日というところで結構柔軟に対応していただいたので参加しやすかったです。忙しい中でプロボノ活動をやるとなったら、時間の調整が効くというところは大事なところになるのかなと思います。

参加を検討してる方が1番不安だったり、怖いと思うことは本当に最初のタイミングだと思うんですね。まずプロボノってどんなものだろうというのがわからないし、団体さんもどんな方がいらっしゃるかがわからない。何をすればいいかわからないという不安ばかりだとは思うんですけど、プロジェクトは期間がだいたい3カ月と決まっているので、3カ月だったら恐らくどんなことでも大体は乗り切れるのではと思います。まず飛び込んで1回やってみる、というところをぜひ経験していただければというのが真っ先に思うことです。

お子さんがいらっしゃる方であれば、「パパは、ママは、こんなすごいことやってんだぜ」と胸を張って言えるのも、いいところかなと思います。それに、3カ月という期間を通してプロジェクトに取り組むと団体さんと絆やご縁ができたりします。そこからまた新しいプロボノ活動が始まったり、自分が本業でやっている別のスキルを提供したりなどつながりができますし、新しい世界が横に広がっていくこともあったりすると思います。ぜひ一歩を踏み出していただければと思います。


※掲載内容は2024年7月取材時点のものです。