PROFILE
居場所ネットワーク大阪は、2005年3月に「住みなれた地域で、安心して安全に自分らしく最後まで暮らしたい」を実現するために、関係する団体や市民が結成した連絡会団体です。
居場所ネットワーク大阪さんは、2025年3月の全国フォーラムで配布するリーフレットの作成を検討し、プロジェクトを立ち上げました。初のGRANTの取り組みで感じた内容について代表の隅田さん、事務局の長福さんにお話しを伺いました。
居場所づくりに取り組む団体のネットワーク組織です
隅田と申します。大阪市の「NPO法人フェリスモンテ」で福祉関係の活動をしています。私の活動歴としては20年ほどになります。
「大阪ええまちプロジェクト」で2度ご支援いただきプロボノワーカーの皆さんと協働の経験があります。
今回、リーフレット作成のプロジェクトを立ち上げた「居場所ネットワーク大阪」は、以前「大阪宅老所・グループハウス連絡会」(以下、宅老連(たくろうれん))という名称で、2005年頃から活動していました。大阪のいくつかの居場所作りを行っている団体が集まっているネットワーク組織です。
私自身は2006年から関わっていまして、今回の団体名称の変更に至るまでさまざまな経緯を共にしてきました。今日のインタビューにご一緒している長福さんが運営している「NPO法人エフ・エー」とも当初から一緒に取り組んでいまして長い付き合いになります。宅老連では私が代表、長福さんが事務局長という立ち位置です。
「大阪ええまちプロジェクト」で2度ご支援いただきプロボノワーカーの皆さんと協働の経験があります。
今回、リーフレット作成のプロジェクトを立ち上げた「居場所ネットワーク大阪」は、以前「大阪宅老所・グループハウス連絡会」(以下、宅老連(たくろうれん))という名称で、2005年頃から活動していました。大阪のいくつかの居場所作りを行っている団体が集まっているネットワーク組織です。
私自身は2006年から関わっていまして、今回の団体名称の変更に至るまでさまざまな経緯を共にしてきました。今日のインタビューにご一緒している長福さんが運営している「NPO法人エフ・エー」とも当初から一緒に取り組んでいまして長い付き合いになります。宅老連では私が代表、長福さんが事務局長という立ち位置です。
団体の名称変更がきっかけ
宅老連は2024年7月の総会で「居場所ネットワーク大阪」へ名称変更することが決まり、2025年3月に大阪市で「第25回 地域共生ケア全国ネットワーク研究交流フォーラム in 大阪」が開催されるので、そのタイミングで広報物も刷新しようという話が出ていました。
ちょうどその頃に、サービスグラントの方から「大阪ええまちプロジェクトはチームによるプロボノ支援でしたが、別にGRANTという仕組みがあります」という説明を聞く機会がありました。居場所ネットワーク大阪のリーフレットをフォーラムまでに新しくしたいけれど具体的に動けていない段階だったことから、ご相談したところ「ギリギリ間に合うかもしれないです」と言っていただけて。これは良いタイミングだと判断してGRANTの活用を決め、募集記事の準備を進めました。
ちょうどその頃に、サービスグラントの方から「大阪ええまちプロジェクトはチームによるプロボノ支援でしたが、別にGRANTという仕組みがあります」という説明を聞く機会がありました。居場所ネットワーク大阪のリーフレットをフォーラムまでに新しくしたいけれど具体的に動けていない段階だったことから、ご相談したところ「ギリギリ間に合うかもしれないです」と言っていただけて。これは良いタイミングだと判断してGRANTの活用を決め、募集記事の準備を進めました。
プロボノの方との出会い
プロジェクト「活動紹介リーフレットの作成」で募集を開始したのは2024年の年末です。年明けにさっそくエントリーがありました。
初めてのGRANTのプロジェクトでもあり、「プロフィール情報を見ると良い方だと思うけどそれだけで判断するのは難しい」という不安がありました。でも、お目にかかるとこちらの話をすごく丁寧に聞いてくださって、内容の整理や言葉の選び方が的確で「この方だったら大丈夫だ」と感じたことを覚えています。
プロジェクトでは、団体からは私と長福さんを含めて3人とプロボノの方、合計4人のメンバーで打ち合わせを重ね、たたき台ができたところで、団体の他のメンバーや関係者に意見をもらいながら進めていきました。
時間が限られていたこともあり、個人が動くGRANTのスピード感は非常にありがたかったです。
支援募集記事:活動紹介リーフレットの作成
初めてのGRANTのプロジェクトでもあり、「プロフィール情報を見ると良い方だと思うけどそれだけで判断するのは難しい」という不安がありました。でも、お目にかかるとこちらの話をすごく丁寧に聞いてくださって、内容の整理や言葉の選び方が的確で「この方だったら大丈夫だ」と感じたことを覚えています。
プロジェクトでは、団体からは私と長福さんを含めて3人とプロボノの方、合計4人のメンバーで打ち合わせを重ね、たたき台ができたところで、団体の他のメンバーや関係者に意見をもらいながら進めていきました。
時間が限られていたこともあり、個人が動くGRANTのスピード感は非常にありがたかったです。
予想よりも早く完成しました
打ち合わせは対面で1回、後日フォーラムの打ち合わせや懇親会にもプロボノの方は参加して懇親会では即座にヒアリングの機会としてくださいました。
プロジェクトは、たたき台をプロボノの方が作り、それに対してお互いがデザインツールのCanva(キャンバ)を直接さわりながらやり取りを進めていきました。文章は基本的にプロボノの方から提供してもらったものをリライトしていきました。
プロボノの方は元広告代理店勤務という経歴もあって、言葉の組み立てや見せ方がとても巧みで、こちらがリーフレットに求めている要素を充分満たしてくださいました。
プロジェクトは、たたき台をプロボノの方が作り、それに対してお互いがデザインツールのCanva(キャンバ)を直接さわりながらやり取りを進めていきました。文章は基本的にプロボノの方から提供してもらったものをリライトしていきました。
プロボノの方は元広告代理店勤務という経歴もあって、言葉の組み立てや見せ方がとても巧みで、こちらがリーフレットに求めている要素を充分満たしてくださいました。
完成したリーフレット(成果物)
リーフレットの表紙のコピーは、最初に提案してくださったものをそのまま使わせてもらっています。少し長めかなとも思ったんですが、例えば「共に悩み」のような言葉が入っていた方が、私たちの活動には合っていると感じました。そういった微妙なニュアンスをちゃんと汲み取ってくださったこともありがたかったです。
私たち二人は同時進行でフォーラムの事務局の仕事もありましたので、リーフレットに集中できる時間は限られていました。また、前身団体の「宅老連」に関する資料も整えてお渡ししたかったのですが整理が間に合わなかった部分もあって申し訳ない気持ちもありました。とにかく時間がなかったことがたいへんなプロジェクトでした。
それでも、そうした事情も理解して柔軟に対応して、スケジュールよりも1週間くらい早く完成させてくださいました。こんなにスムーズに前倒しで完成したプロジェクトは今まで経験がなかったのでこれには本当に驚きました。
プロジェクトのスケジュール
リーフレットが出会いの後押しに!
プロボノの方は私たちだけでなく関係者からも丁寧に話を聞いて、デザインを仕上げてくださいました。また、居場所のことについてもっと勉強もしたいということで、たまたま長福さんが居場所講座を行った際にもわざわざ足を運んでくださいました。
このリーフレットに載った言葉はほんの一部ですが、その裏には、私たちがお話した背景や思いがあって、それがしっかりと反映されていることがわかります。表に見えるのは氷山の一角で、その下にどれだけの対話があったかを感じ取れる作りになっていると思っています。
プロボノの方とはプロジェクトが終わった後も引き続きお付き合いをさせてもらっていて、フォーラムのプレスリリースのサポートや別のプロジェクトにも関わっていただいています。
好奇心がとても強く、プロボノ活動をすごく楽しんでいる。そこで得たものを次に生かしていくというスタンスを持っておられる。私たちもそんな姿勢に刺激を受けています。ご自身でもNPOを立ち上げられて、今後は中間支援的な立場で後方支援を行っていく予定と伺いました。
今回の取り組みを通じて、このような新しい出会いが生まれたことが何より嬉しかったです。そして、完成したリーフレットは、私たちにとってとても大きな意味を持ちました。3月のフォーラムを契機に、居場所ネットワーク大阪へ新しく関わってくださる方が増えてきました。このリーフレットが果たしてくれた役割はとても大きかったと感じています。
今のところ、とても順調に進んでいると感じています。私たち自身もこれから新しいメンバーを迎え、いろいろな取り組みをしていこうとしている中なので、リーフレットの内容の更新が必要になることは必然です。それに対応できるよう、私たちでも更新できる形で納品してもらえたこともすごくありがたかったです。
このリーフレットに載った言葉はほんの一部ですが、その裏には、私たちがお話した背景や思いがあって、それがしっかりと反映されていることがわかります。表に見えるのは氷山の一角で、その下にどれだけの対話があったかを感じ取れる作りになっていると思っています。
プロボノの方とはプロジェクトが終わった後も引き続きお付き合いをさせてもらっていて、フォーラムのプレスリリースのサポートや別のプロジェクトにも関わっていただいています。
好奇心がとても強く、プロボノ活動をすごく楽しんでいる。そこで得たものを次に生かしていくというスタンスを持っておられる。私たちもそんな姿勢に刺激を受けています。ご自身でもNPOを立ち上げられて、今後は中間支援的な立場で後方支援を行っていく予定と伺いました。
今回の取り組みを通じて、このような新しい出会いが生まれたことが何より嬉しかったです。そして、完成したリーフレットは、私たちにとってとても大きな意味を持ちました。3月のフォーラムを契機に、居場所ネットワーク大阪へ新しく関わってくださる方が増えてきました。このリーフレットが果たしてくれた役割はとても大きかったと感じています。
今のところ、とても順調に進んでいると感じています。私たち自身もこれから新しいメンバーを迎え、いろいろな取り組みをしていこうとしている中なので、リーフレットの内容の更新が必要になることは必然です。それに対応できるよう、私たちでも更新できる形で納品してもらえたこともすごくありがたかったです。
個人の支援ならではの強み
募集の段階では、「本当に応募してくれる人っているのだろうか?」と思っていました。でも、サービスグラントさんからの「具体的にやることを絞って小さく切り分けて募集するのがコツです」というアドバイスが頭にあったので、「リーフレットの作成」というプロジェクトでもしも手が挙がらなかった場合は、プロジェクトを「掲載する情報の整理」と「リーフレットのデザイン」の2つに分けることも頭にありました。
また、エントリーの段階では「本当にうまくやっていけるだろうか」という不安がありました。ただ、やってみないとわからないことは多いですし、今回のように時間的な制約がある中でスピード感を持って的確に進めていただけるというのは、やっぱり個人型ならではの強みだと思いました。
実際にGRANTの仕組みを使ってみて感じたのは、すごくよくできたシステムだということ。オンラインでマッチングからやり取りまで完結するし、メッセージも定型文で返せたりして。なんだか“非営利組織のメルカリ”みたいな感覚でした(笑)。
また、エントリーの段階では「本当にうまくやっていけるだろうか」という不安がありました。ただ、やってみないとわからないことは多いですし、今回のように時間的な制約がある中でスピード感を持って的確に進めていただけるというのは、やっぱり個人型ならではの強みだと思いました。
実際にGRANTの仕組みを使ってみて感じたのは、すごくよくできたシステムだということ。オンラインでマッチングからやり取りまで完結するし、メッセージも定型文で返せたりして。なんだか“非営利組織のメルカリ”みたいな感覚でした(笑)。
偶然の、幸運な出会いの機会~serendipity(セレンディピティ)
私自身、プロボノを受け入れるのは3回目ですが、経験を重ねるごとに「どれぐらい要望して、どれぐらいお任せするか」という加減がわかってきたような気がします。最初は遠慮して任せきれなかった部分もありましたし、逆に提案を受け入れすぎて、自分たちの要望をあまり伝えられなかったこともありました。
でも今回は、そのバランスがうまく取れた気がしています。相手のスタンスにもよりますけど、こちらの伝え方や関わり方にも「慣れ」や「コツ」があることを改めて思いました。
私が気に入っているのは「GRANTを離れても関係を継続できる」というスタンスです。GRANTで出会った方と直に関係を継続できる。むしろさらに関係性が続いていくことを前提に考えてくださっている。そんなところがすごくいいと思います。
今回、大阪でこれだけのものができたので、他の地域でも作っていけたらと声をかけているところです。リーフレットを作ること自体が団体のあり方を見つめ直すプロセスになりました。団体の中で考えていてもぐるぐる巡ってしまうところですが、第三者の方に入ってもらうと、全然違う立ち位置から気づきを与えてくださるのがすごくいいことだと思います。そういった点も含めて価値があると思いました。
実は今、長福さんの知り合いがかかわっているプロジェクトに、今回のプロボノの方にも相談にのってもらっていると伺っています。そのプロジェクトでは将来的にはクラウドファンディングを行う予定で、その際にはまた力をお借りすることになるかもしれないということです。
そういった意味でも、今回の取り組みが生んだご縁は、思いもかけず広がりを見せています。偶然の出会いが価値を持つという意味で、今回のGRANTのプロジェクトは、まさに「セレンディピティ(serendipity)」な経験になりました。
今後、他の団体さんがGRANTを使う機会があれば、ぜひおすすめしたいと思っています。
でも今回は、そのバランスがうまく取れた気がしています。相手のスタンスにもよりますけど、こちらの伝え方や関わり方にも「慣れ」や「コツ」があることを改めて思いました。
私が気に入っているのは「GRANTを離れても関係を継続できる」というスタンスです。GRANTで出会った方と直に関係を継続できる。むしろさらに関係性が続いていくことを前提に考えてくださっている。そんなところがすごくいいと思います。
今回、大阪でこれだけのものができたので、他の地域でも作っていけたらと声をかけているところです。リーフレットを作ること自体が団体のあり方を見つめ直すプロセスになりました。団体の中で考えていてもぐるぐる巡ってしまうところですが、第三者の方に入ってもらうと、全然違う立ち位置から気づきを与えてくださるのがすごくいいことだと思います。そういった点も含めて価値があると思いました。
実は今、長福さんの知り合いがかかわっているプロジェクトに、今回のプロボノの方にも相談にのってもらっていると伺っています。そのプロジェクトでは将来的にはクラウドファンディングを行う予定で、その際にはまた力をお借りすることになるかもしれないということです。
そういった意味でも、今回の取り組みが生んだご縁は、思いもかけず広がりを見せています。偶然の出会いが価値を持つという意味で、今回のGRANTのプロジェクトは、まさに「セレンディピティ(serendipity)」な経験になりました。
今後、他の団体さんがGRANTを使う機会があれば、ぜひおすすめしたいと思っています。