経験者インタビュー

団体の会計処理効率化を依頼
会の運営や会計のあり方について
メンバーが一緒に考えるきっかけに!

海老名みさ子さん
認定NPO法人 外国人の子どものための勉強会
PROFILE
「外国人の子どものための勉強会」は、千葉県松戸市で外国にルーツを持つ子どもたちを対象に、日本語だけでなく算数・数学や社会などの学習支援、高校の入試対策などを行っています。地域の住民がスタッフとなって、個別指導を原則に寄り添った支援をしています。
「外国人の子どものための勉強会」では、これまで7つの教室の会計処理を本部がまとめて行ってきましたが、関連する業務を効率化したうえで、各教室で会計処理を行う体制に変更したいと考えていました。今回は、「GRANT」を活用して、EXCELを使った会計処理の簡素化ツールについて依頼いただいた「外国人の子どものための勉強会」代表理事の海老名さんにお話しを伺いました。
最初は日本語を教えることからスタートしました
「外国人の子どものための勉強会」は、1996年5月に任意団体としてスタートしました。当時、私は日本語教師として大人の外国人に日本語を教えていました。生徒から、自分の子どもにも日本語を教えてほしい、という声を聞くことがありましたが、「子どもは子ども同士の会話で日本語にもすぐに慣れるから大丈夫だろう」と思っていました。ところが、知り合いの中国人のお父さんから、「子どもが学校で、日本語がわからず勉強するのにストレスを感じているみたいだ」と聞き、それ以来、子どもたちの教育について考えるようになりました。日本語を教えることからスタートし、次第に日本語だけでなく算数・数学や社会などの学習支援、高校受験のための入試対策などを行うようになりました。

現在は、多くの外国人の子どもたちがいる松戸を中心に活動しています。子どもたちの国籍は多様です。かつては、中国が7,8割でしたが、今は、一番多いのがネパール、そしてパキスタンの子どもたちです。国籍は変わってきていると思います。

最初に団体を立ち上げた際は、子どもへの日本語教室の始め方について何も情報がなく、文部省(現:文部科学省)や、千葉県や松戸市の教育委員会など様々なところに相談しました。活動を始めてからは、活動していくためには、いろいろな方たちとの連携が必要だと思い、ちばのWA地域づくり基金や松戸市の市民活動サポートセンターと繋がりました。
プロボノのスキルや経験に助けていただきました
サービスグラントには、ちばのWA地域づくり基金から話を聞いたことがきっかけで、2013年にチーム型のプロボノ支援でお世話になりました。GRANTは、松戸市の市報『広報まつど』で説明会の案内を見たことで知りました。プロボノの皆さんの力、いうなれば団体の外の方の力を借りることには最初から抵抗はありませんでした。仕事で培ったスキルで支援するという仕組みがあるということは、世の中がどんどん進んできているんだな、と思いました。

チーム型支援では、企業に勤めているスキルの高い方たちに本当に助けていただきました。今回のGRANTは個人の支援と聞いていましたが、同じように企業にお勤めのスキルの高い方に助けていただきましたし、良い方との出会いがあってとてもよかったです。
各教室での会計処理を目指しました
現在は、松戸市内に教室が5つあって、年間を通してそれぞれが教室活動を行っています(他に期間限定の教室が2つあります)。これまで、団体の会計業務は一人の担当者がまとめて行っていたのですが、最近になって組織が整ってきたこともあり、各教室で会計処理を行ったうえで、本部では会計業務のとりまとめを行う体制に変更しようと考えるようになりました。

今回のプロジェクトでは、本部が行ってきた会計事務を、各教室が効率的に行えるようなExcelの作成をお願いしました。最初にこれまでの処理の方法や各教室の運営担当メンバーにもヒアリングしてもらい、クラウドを活用して同じファイルを参照しながら、会計処理を行えるようなスプレッドシートを活用して仕組みを構築してもらいました。子どもの参加費は教室ごとに入ってくるので、その参加費を使って、コピー代や教材代等を支出し、不足した部分は本部から補填するというようなお金の流れに整理しました。

プロジェクトには、最初は団体から4人が参加しました。各教室で会計をやってもらおうということが決まってからは、実際に携わる担当者も加わって、最後には、団体から9名が入って話し合いを進めました。打ち合わせはオンライン(Zoom)で2週間に1度くらい、2カ月という期間を示していただいたので、それを目標に、その都度やらなければいけないことを決めながら進めていきました。

最初は私たちのITスキルに不安がありましたが、プロボノワーカーの方には何度もミーティングに入っていただいて「どうやって操作すればいいですか?」「こうしたらデータが消えてしまうけれどもどうしたらいい?」など細かいところまで質問しながら教えていただきました。最後は、各教室の担当者が会計処理を自分で打ち込むことまでできるようになり、会計処理を各教室で行うという仕組みができあがりました。プロボノワーカーはとても気さくな方でとても助かりました。
今回のプロジェクトがガバナンスを見直す機会になりました
プロジェクトは8月末からスタート。「会計の一元化は10月から」と決め、全教室で一斉にスタートしました。プロボノワーカーの方からは「何か困ったことがあったらすぐに声をかけてください」と言っていただきとても心強かったです。プロジェクトが10月末に終了した後に追加で質問したり手直しをお願いすることはなく、とても順調です。

まだ、ヨチヨチとした立ち上がりですが、きちんと進めていますということが報告できたらと思っています。昨日もスプレッドシートで各教室での進み方を確認してみたのですが、たいへん順調に進んでいます。皆さんの入力状況を私が見られるようになっていることも、みんなが打ち込めていることも嬉しく思います。

プロジェクトを進行する上で、困ったところややりにくかったところは全然ありません。プロボノワーカーの方のお人柄といい、キャリアといい申し分なく、本当に引っ張っていただきました。教えていただくことばかりで感謝です

団体メンバーの中には、今まで会計・運営についてノータッチの人たちもいました。会計に関しては担当者しか分からなかったところです。プロジェクトを振り返ってみると、振込方法など様々な作業について、団体メンバー同士で確認し合えたと思います。また、話し合うなかで、皆さんが疑問や質問を持っていることがわかり、それに応えることで納得いただけました。さらに、これまで、団体メンバーは子どもたちに教えることだけを常に考えてきたわけですが、会の運営や会計について一緒に考えるきっかけになりました。そして、どんどん自分の意見を伝えてくれるようになったように思います。今後はこういう方法で行いましょう、ということをみんなで確認するきっかけにもなりました。GRANTのプロジェクトを進める中で、団体内部でモヤモヤしていたところをディスカッションして解消できたことはとてもよかったと思っています。
次の課題についても考えているところです
今は、コミュニケーションツールを活用して、団体の活動を活性化させることに関心をもっています。これも、まず理事会で話し合ってみたいと思います。

GRANTの仕組みはとても素晴らしいと思います。私たちの団体は、すごく会計処理に困っていたところ、プロボノワーカーの方には丁寧に優しく教えていただいて、とても助かりました。団体で活動されている方は、ぜひGRANT活用して、難しい!と思う課題を助けてもらってください。
  

※掲載内容は2021年11月取材時点のものです。