経験者インタビュー

子育て世代と高齢者をつなげたい
新事業の第一歩として
ホームページが完成しました

柳澤けい子さん、横山礼子さん
四丁目ガーデンカフェ三咲実行委員会
四丁目ガーデンカフェ三咲実行委員会は、千葉県船橋市でオレンジカフェ(認知症カフェ)「四丁目ガーデンカフェ三咲」を運営したり、こども食堂へ野菜を提供する活動を行っている団体です。高齢者と子育て世代をつなぐことを目的とし、新事業への取り組みを開始しているところです。
新事業への取り組みに向けて情報発信を見直す中でホームページの新規作成のプロジェクトを実施しました。GRANTとの出会いからホームページの完成までを代表の柳澤けい子さんと横山礼子さんにお話しを伺いました。
これから新事業を始めようとしています
千葉県船橋市で「四丁目ガーデンカフェ三咲実行委員会」というオレンジカフェを開催しています。「オレンジカフェ」は、船橋市が推進している認知症カフェの名称です。お茶を飲みながら認知症の当事者だけでなく、介護家族や子どもから大人までの地域の人が気軽に交流できる「居場所」を提供する活動です。月に1回、第3土曜日の1時から3時に柳澤さんの庭でお庭でガーデンカフェをやってます。通りすがりの人もふらっと入ってこれるようなカフェです。
第2の事業として、こども食堂に新鮮な野菜を提供しています。コロナ禍でカフェができなかった時期はこども食堂も開催できない状況が続いていました。その頃に庭の野菜をこども食堂へ提供するというつながりができました。

これから「おやこでえほんの日」を始めようとしています。子育てしているお母さんと赤ちゃんから子供までの居場所を作ってあげたいって思ったんですね。居場所では、子供とお母さんは同じ部屋にいるんですけど、わたしたちが子供に本を読み聞かせたり見ている間、お母さんが絵本や好きな本を読むとかね。そんな感じで大人にも子供にも本を読む機会を与えてあげたい、そういう場所を提供したいと考えました。これから第3の事業として始めようかなと思ってます。

今の場所を子育て世代と認知症の当事者や高齢者世代とつながる居場所にしたいんですね。最終的には今のオレンジカフェに子育て世代も一緒にいられるような場所を作っていくのがわたしたちの目標で、第3の事業はそのためのワンステップなんです。これをやって、その次に各世代がもっとつながれるような居場所をできたらいいなと思っています。
認知症が特別じゃなくて、子育てもワンオペじゃなくて、みんながつながってるいられる場所となって、大丈夫だよっていう安心感が地域に広がってくればいい、そこを目指して活動しています。
GRANTへの登録は団体の可視化の機会となりました
「おやこでえほんの日」を立ち上げるにあたって、船橋市市民協働課の「なんでも相談窓口」に行きました。昨年12月のことです。新しい事業を立ち上げるにはお金がいるね、ということで補助金をお願いするのにどうやって戦略的にやったらいいんだろうっていうところを相談しました。そこで「補助金に応募するにはホームページ等で信用できる団体ということを分かるようにすることが必要だよ」「情報をリアルタイムで発信できることも大事だよ」「子育て世代につながるためにはInstagramが有効だよ」っていうのを教わったんです。そこで「まずはホームページを作った方がいいよ」っていう話になりまして、ふなボノ(GRANTのコーディネーターでもある船橋市の中間支援団体)に相談してみたらということで紹介を受けました。

さっそくふなボノにご相談し、これまでのふなボノの事例やGRANT内でのホームページの立ち上げの事例を参考にして準備していきましょうということになりました。さらに、GRANTの登録のやり方とか、ここにマニュアルがあるよとか、色々教えてもらいました。
マニュアルを参考にしながら団体登録やプロジェクト登録を行う中で、自分たちの団体を可視化するって大変だけど大事な時間だったなと思いました。

2024年1月に「ホームページの立ち上げ」のプロジェクトを公開し募集を開始しました。

支援募集記事:ホームページの立ち上げ
対面で進められたことがありがたかった
最終的には船橋市にお住まいの経験豊かなプロボノワーカーの方がエントリーしてくださったんですけど、他にもいろんな人からプロジェクトの「気になる」ボタンを押していただいて嬉しかったです。

わたしたちはあんまりオンラインは得意じゃないのでプロボノワーカーの方が対面でも大丈夫ですと言ってくれたのがすごくありがたかったです。打ち合わせは毎回対面で、船橋市の市民活動センターでお会いしました。土曜日の午後2時ぐらいから、今日はここまでやりましょうとか、今日は写真を選びましょう、ここの文章を考えましょうとか。AIを使って文章を直してもらってちょっと感動しました。AIの三島由紀夫風の文章を見せてもらってびっくりしたり。楽しかったですよ。

プロボノワーカーの方は3月にカフェにいらっしゃって、その時に撮ってくださった写真がホームページの「私達の活動」のページ内の「新鮮野菜を食べよう」でご覧いただけます。この写真のブロッコリーをこども食堂に提供しているんです。



ホームページに掲載した文章は、わたしたちがざっと案を書いて、打ち合わせの時にプロボノワーカーの方がそれを携帯で撮影してAIにかけてくださいました。日本語が間違っているところや実際の活動と違うところは修正しながら最終化しました。最終的には8、9割がわたしたちの文章という感じです。
文章はわたしたちの思いが来てくださる人たちに伝わるように考えながら準備しました。まずプロボノワーカーの方に伝わらなければと思っていて、きっとなかなか伝わらなかったからこそ現場を見に来てくれたんじゃないかなって思うところもあるんですよ。
今後はInstagramで発信していくことも教わったので少しずつ始めています。
こんなに早くホームページが完成したことに驚いています
ホームページができあがったことについては団体のみんなが感動してます。順調に、思ったよりも早く出来上がったからびっくりしてるんですよ。去年の終わりに作りたいと思って、1月にプロボノワーカーの方とお会いして、それでとんとん拍子に4月にできあがるなんて。ホームページができたので、これで先へ進めるなと思ってます。
ホームページのQRコードをこれから名刺に入れようと思っているところです。

オレンジカフェの立ち上げセミナーでの同期だった友人がInstagramに「いいね」をくれたときは、つながったことがわかって嬉しかったです。その友人は船橋市内で別のオレンジカフェを運営しているんですけど、オレンジカフェ同士もこれからもっとつながることを期待しています。

ホームページの運営に関しては、簡単なマニュアルをプロボノワーカーの方からいただきました。普段の頻繁な更新はInstagramでと思ってるんですけど、日程やイベントのところはテキストを更新すればいいように設定していただいたのでホームページの上書きで対応していく予定です。たぶん数字や日程の更新だけなら大丈夫かなと思っているところです。
GRANTは使いやすくてありがたかった
振り返ってみると、GRANTのシステムがすごくやりやすかったことが印象に残っています。プロボノワーカーの方とのメッセージのやり取りもすごくわかりやすくて。言葉がですます調で柔らかく書いてあって、きちんとしているんですけどフレンドリーな感じの文章で書かれてるので緊張しなくてよかったです。

GRANTは、なかなかまだ皆さんに浸透していない、市民団体の人たちにもっと浸透したらみんな助けてもらえるのにと思います。お話する機会があったらぜひ紹介と思っています。
仕組みを整えたらつながるチャンスが増やせる!
そもそもわたしたちの団体がホームページを作れると思っていなかったので今年はすごい年になりました。 今までは世の中のスピードについていけない感があったんですけど、ちょっとだけ追いつけたのかなと思います。このスピード感に合わせていかないと子育て世代と高齢者はつながらない。仕組みを整えることでつながるチャンスを増やせるんじゃないかと思います。どちらからも歩み寄らなければ、本当はみんなつながりたいのにつながれないから、ここで半歩でも進めたのは大変ありがたいです。

これから新事業の「おやこでえほんの日」に取り組んでいくにあたって、チラシを作るタイミングになったらぜひふなボノに相談してGRANTでお願いしたいと思っています。ふなボノのチラシにあった「あなたの普通は、誰かの特別。」っていうキャッチコピーがとても心に刺さっているんですよ。
全国のみんなが手探りでがんばっていることを知る機会
GRANTからのメールで日本全国のいろんな団体の活動を知ることができます。全国の活動を見に行くことはできないけれど、こんなことをやってる人が日本の中にもいるんだっていうことを知ることできる、GRANTが全国区のネットワークになっていることが嬉しかったです。
わたしたちとは形は違っていても同じように世代をつなげようとしている人たちがいて、みんな手探りでやってるんだなっていうことを知ることができました。これも醍醐味の1つかなって思います。船橋市のネットワークが濃厚になっていくのもすごくありがたかったんですけど、遠くでもみんな頑張ってるということを知ることができたこともありがたかったです。

GRANTの活用を検討されている団体の皆さんには、とにかく「やってみなはれ」って思います。やってみないと何も始まらない、やってみようっていうところで一歩前に行ってみるとまた違う景色が見えます。わたしたちのオレンジカフェも始めてから5年が経過しました。いろんな人とちょっとずつつながるってすごいとますます感動しているんです。「止まってるよりやってみよう」がいいかなと思います。
わたしたちもやろうと決めた時は勇気が入ったんですよ。きっと躊躇してる方たちは「できるかな」っていう心配が1番最初に来てるんだと思います。わたしたちはその心配を1歩踏み越えてやったんですけど、心配を取り除くような仕組みが何かあるとそういった団体さんも入ってこれるんじゃないかなと思います。

わたしたちは事業を先へ進めたいと思う中で何かを起こさないと始まらないと思いました。1歩先に子育て中のお母さんと子供の居場所を作りたい、だからどうしても子育て世代とつながりたかった。こういう思いがあったから踏み越えて始められたんだと思います。


※掲載内容は2024年4月取材時点のものです。