経験者インタビュー

「共感」を原動力に
臨機応変な支援スタイルで
プロボノを楽しんでいます!

田村修一さん
プロモーションプロデューサー
PROFILE
「趣味はプロボノ」と語る田村さんは、広告業界でのプロデューサーとしてのキャリアを持ちながら、2023年7月からGRANTのプロボノ活動に参加。現在、4つ目のプロジェクトに取り組んでいます。
※田村さんのGRANT参加実績はこちらからご覧いただけます。

「団体が向き合う社会課題に共感できるかどうか」 広告業界で培った専門性を活かしながら、柔軟な発想で団体を支援している田村さんに、プロボノでの“体験”や“想い”についてお話を伺いました。
デジタルプロモーションで格差を解消したいという思いがあります
専門のマーケティング、特にプロモーションの知見を活かしてプロボノをやりたいと思って参加しています。最近、趣味を聞かれたら「プロボノです」と答えるようになりました。休日や仕事の合間に社会と接点を持てるプロボノ活動を趣味として楽しんでいます。

自分の中にある一番の課題意識は「格差」です。地方で育った私は、大学進学をきっかけに東京に出てきて、「学び方」や「学ぶ場」の選択肢がいろいろあったことを知りました。地方にいたときは選択肢があることさえ知らずにいたので、東京と地方には「教育格差」や「機会格差」があることを初めて実感しました。

現在はインターネットやデジタル技術が進歩したことで、地方でも東京にいる場合と同等の仕事ができる環境が整いつつあると思います。そういう意味ではデジタルを活用することで格差は減っているように思います。とはいえ、技術は進歩してもそれを本当に活用できているかと言ったらそれはまた別の話です。デジタルマーケティングの経験や知見を活かすことで、格差の解消に少しでもお役に立てられたら嬉しいなと思っています。

「地域おこし」にも興味があり、積極的に支援を行っています。ちょうど先週も、住民の方と一緒に地域で新しい事業を創るプログラムに参加してきました。他にもいわゆる「消滅可能性自治体」と呼ばれている地域を訪問して解決策を提案するプログラムや、ふるさと納税を使ったプロモーションを提案するプログラムにも参加しています。「地域の課題をこのまま静観していてはいけない」という“危機感”を原動力にして、地域を限定しないで精力的に活動しています。
ネット検索「社会貢献」でGRANTと出会いました
サービスグラントをきっかけにプロボノという社会との関わり方を知りました。
たしか「社会貢献」を検索ワードにしてネット検索でGRANTを見つけたように思います。正直なところ、最初は手を挙げることに不安がありました。しばらく募集記事の一覧を眺めていた記憶があります。「オンライン相談」という1回1時間~半日程度で相談に応じるプログラムを発見して、これだったらできるかなと思い、参加したのが最初の支援経験になりました(NPO法人命と性の相談室さん「広報PRのアドバイス」)。
オンラインで団体さんと1時間ぐらいお話したのですが、一回限りで解決できるテーマではありませんでした。オンライン相談の中で、代表から取り組まれている課題や活動内容などさまざまなお話を聞かせていただきながら、「時間をかけてじっくり取り組みましょう」ということになり、3カ月のプロジェクトで支援することになりました(NPO法人命と性の相談室さん「シンポジウムのPR方法の検討」)。

支援募集記事:シンポジウムのPR方法の検討
最初はプロジェクト戦略の相談から
これまで4つのプロジェクトを経験しました。最初はプロモーション戦略について一緒に考えることから入って、次に具体的な施策として「イベントをやりましょう」「こういう人を集めるイベントだったらこういうテーマがいいと思います」といった話まで、戦略から施策まで一貫して提案する形でやってきました。
毎回のセッション(ミーティング)では、お話を伺いながら内容を整理していきます。団体の代表には次回までに他のメンバーと相談したり、実際に施策を試していただいています。細かく調整を繰り返すアジャイル形式でどんどんプロジェクトを進めていきます。

約3ヶ月のGRANTのプロジェクト期間に、ミーティングはだいたい2週間に1回実施しました。3カ月の間に5、6回が目安です。プロジェクト期間中はいつでも相談してくださいとお伝えしていて実際、LINEやSlackで相談に乗ることもありました。
課題解決のプロセスを疑似体験
現在進行中のNPO法人ソンリッサさんのプロジェクト「地域福祉に関わり成長したい若者を採用するためのコピーライティング」について紹介したいと思います。

支援募集記事:地域福祉に関わり成長したい若者を採用するためのコピーライティング


ソンリッサさんは、もともとは自社ホームページに掲載する人材募集のコピーライティングを希望されていたのですが、お話を伺っていくなかで「最適な募集方法とは?」と問いが変わりました。ソンリッサさんが求める人物像やポジション、活動拠点である群馬県前橋市で働ける人といる制約を考慮すると、ホームページで人材募集の告知を掲出することも重要ですが、それよりもソンリッサのことを知っている方からソンリッサに合う人材を紹介いただく方式(リファラル式)の方が適していると判断し、提案しました。

「人材を紹介したくなる仕組み作り」プロジェクトが始まりました。
紹介してもらいたい人材について整理することから始まり、これまでの活動をまとめたり、今後のビジョンについて考えたりと何度もセッションを行いました。
セッションを重ねるなかで、活動に対する代表の想いや今後のビジョン、向き合っている社会課題の深刻さ、活動の重要性などあらゆるお話を伺っています。ソンリッサさんがこれからも活動を継続するために必要なことなら何でもやりたいという想いで毎回のセッションに臨んでいます。
GRANTは、共感できる団体を臨機応変に支援できることが魅力
団体さんが社会課題と向き合う際の考え方がわかるのでGRANTの募集記事はよく目を通しています。エントリーを検討するにあたっては、「共感できる社会課題か?」「共感できるアプローチで課題に取り組まれているか?」など、“共感”できるかどうかを大切にしています。

GRANTはチーム制ではなくひとりで対応する支援スタイルです。団体の代表と1対1で向き合えるため団体の状況に応じて臨機応変な支援ができることも魅力のひとつだと思っています。
「興味がある」が最初の一歩
GRANTは、まずはスポットコンサルティングぐらいの温度感で始めるのがお互いにとって丁度いいと思っています。GRANTの「オンライン相談」の仕組みをもっと活用できるといいなぁと思っています。いきなり3カ月のプロジェクトに取り組むのはハードルが高いと思いますし、それは団体さんも同様だと思います。まずは「オンライン相談」から始めて、次につなげていくような流れや導線を作っていただくと、もっと気楽に参加しやすくなって、参加者も増えると思っています。

自分ひとりだけでできるか不安に思って、一歩を踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。「不安」に思うというのは、「興味がある」からなのだと思います。そもそも興味がなければ不安にさえ思いませんから。興味があるなら、サクッと一歩踏み出して大丈夫だと思います。どんな支援をするかは団体さんと一緒に考えれば問題ありません。

GRANTは私が社会課題に向き合うキッカケになりました。GRANTなら自分のペースで、自分の得意を活かした社会貢献ができます。プロボノ同士の交流会もあるので、いつか交流会でお話できるのを楽しみにしています。


※掲載内容は2024年10月取材時点のものです。
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