【開催レポート】
「GRANTアワード2022」 受賞者との交流イベント

2022.07.07
「GRANTアワード2022」※を記念して、6月14日(火)に受賞者の方々との交流イベントを実施しました。アワードの発表ならびに贈呈や、受賞者のトークセッション、そして、アワード受賞者や参加者との交流などを行いました。

イベント当日は、GRANTに登録されている参加者や団体、コーディネーターの皆さま、また、関心をお持ちの皆さまなど、20名以上の方にご参加いただきました。当日のプログラムより受賞者の皆さんのトークセッションを中心にご報告します。

※「GRANTアワード2022」とは?
2021年度(2021年4月1日~2022年3月31日)に完了したプロジェクトから、「GRANT」を誰よりも活用し、それぞれのニーズに合わせた新たな社会参加のカタチを実現した皆さんを表彰するものです。


【開催概要】
開催日時:2022年 6月 14日(火)13:00-14:30
開催方法:オンライン(Zoom)


【各賞受賞者のトークセッション】
[個人部門] 最多参加賞
[個人部門] マイレージ賞(合算)

福永圭佑さん(ニックネーム:KCさん)

福永さんは、プロジェクトの回数が最も多い人に贈呈する「最多参加賞」を計10回(2021年度)で、同時に、支援先団体の本拠地と参加者の住所地の距離を合算してもっとも距離が長い人に贈呈する「マイレージ賞(合算)」を計1,897kmという実績で受賞しました。

福永さんの受賞コメント
送っていただいた賞状はさっそく家族に自慢しておりました。工学部を卒業して普段はIT企業で金融機関向けをメインに企画系の仕事をやっております。趣味はパズルとか謎解きなんですが最近の主な趣味はGRANTになってきているかなという感じがします(笑)。
結構コロナも大きな参加のきっかけだったかなと思っています。2020年2月に勤務先でテレワークになって出勤時間がなくなって時間ができたこともあって夏頃にサービスグラントにプロボノ登録をし、その後8月にまずはチーム型のプロジェクトに参加しました。ちょうどプロジェクトが終わりかけていて、寂しい気持ちになってきたことに加え、仕事関連で児童虐待の案件に関わっていて、もしかしたら専門家の方と知り合える機会になるのかなと思い、個人での支援というGRANTを思い出して初マッチングした案件がNPO法人児童虐待防止協会さんでした。
これまでGRANTで関わった事例は17件、実施中のものが2件あります。プロジェクトは基本的にはIT(情報技術)系やDX(デジタルトランスフォーメーション)系に注力して実施しています。IT支援なんですけども、何でも1から作るっていうよりは、既にあるサービスを組み合わせて提案しています。本業で使ってるものもありますが、いろいろ支援していく中で、団体さんと一緒に学び取ってきたものというのが多いです。
活動している中で、NPOなど団体さんが立ち向かっている社会課題は本当に多種多様だけれども、直面しているデジタル課題は割とパターンが決まっているかもしれないということに気が付きました。それを踏まえて、IT課題やDX課題を解決するプロボノのチームを作ったら日本のいろんな観点やいろんな文脈で取り組んでらっしゃる社会課題がすごく効率的に解決できるんじゃないか、社会人のITスキルアップにもつながるのではないかと思って今、取り組んでいるのがデジタル系のソリューションに特化したGRANTのコーディネーターを運営しているチーム(デジボノ)です。プロボノの仲間での取り組みを始めたところです。


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[個人部門] コーディネーター横断賞
海老名要一さん(ニックネーム:ebisu22さん)
「コーディネーター横断賞」は、参加したコーディネーター枠の数が最も多い人に贈呈する賞です。海老名さんは合計5つの異なるコーディネーターのプロジェクトに参加されました。


海老名さんの受賞コメント
賞状は確かに頂戴しております。家族に写真を撮ってもらいました。こんなのもらうの何年ぶりだろう。高校時代に絵を描いて校長先生に褒められた後ぐらいかな。ありがとうございます。
コーディネーター横断賞ということで、当たりかまわずやっているみたいな印象になると思うのですが、自分なりに持っているものがありまして、それは「NPOは広報活動がちょっと弱いだろう」という仮説です。2019年にそれに特化したような企画をビジネスプランの大会で発表したことがありました。大会の企画部門では準優勝を頂戴いたしました。
この時期からコロナにもなってGRANTに行くわけです。体のことも考えてリモートでできるみたいなところだけに絞ったり、リモートでやりませんかと言葉をかけて、広報に関するWebサイト、YouTubeのビデオやチラシの案件に取り組みました。取り組んだ案件は、元々の専門であるマーケティングに関わるようなものや広報ということになります。
今年に入ってから住んでいる自治体から公民会運営審議会委員を始めて、何とか公民館をICTの発信基地に変えたいと考えているところです。この活動が終わったらまたGRANTに取り組みたいと思います。
GRANTに参加を考えてる方には、ぜひ1件目から2件目、2件目から3件目と挑戦していただきたいなと思います。私自身、2,3件目に取り組んでいる頃は募集内容の字面だけを読んで「これできるかな」と非常に不安になることもありました。でも、実際に支援先団体と話をしてみると募集内容に書いてあることとちょっと違うこともあります。自分の得意なことに引き寄せながら話をしてくと5件目くらいからパターンが見えてきました。そこに自分のスタイルを出していけばいいんだろうと思います。
GRANTはチーム型のプロジェクトと違って、みんなで補完し合うっていうんじゃなくて、自分のできるところをやってみるというのがいいような気がしています。あまり真面目に考えすぎずに、ちょっとやってみようとか、考え方を変えて、必ずしもプロジェクト募集の文章にとらわれないで、できることだけをやる方がいいような気がしています。


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[団体部門] 最多活用賞
地域を明るくするリハビリテーション専門職の会
代表 小野雅之さん

支援先団体として支援を受けた回数が最も多い団体に贈呈する「最多活用賞」は、地域を明るくするリハビリテーション専門職の会さまが計7回という実績で受賞されました。

小野さんの受賞コメント
地域を明るくするリハビリテーション専門職の会の小野と申します。僕たちの団体のメンバーはリハビリテーションの専門職です。リハビリっていうのはみんな知っていると思うんですけども怪我か病気をしないと出会えない職種です。大病を患わないと出会えない。僕たちができる能力をもっと社会に還元することができないかっていうことで、ここ10年ぐらいは介護予防に取り組んだりもしています。夜や土日祝を使って地域に出ていって、いろんなことを僕らの持ってる知識技術をどんどん提供していこうと思っています。僕は東京都府中市に住んでるんですけども、1人の理学療法士、国家資格保持者というところでチャレンジをしていきたいと思ってこの活動を始めています。
GRANTを始めたきっかけは、プラッツ(註:GRANTでちょこっとプロボノ@府中の運営を担当している中間支援組織である府中市市民活動センタープラッツさんのこと)のイベントです。実際に取り組んでみて、プロボノってやばいな、すごいなと可能性をすごい感じました。最初にプロジェクトを4つやった上で、3つ追加して合計7ということになります。中でも僕らが衝撃を受けたのは事業計画書のプロジェクトです。あとはホームページの更新もお願いしました。その方は、今では新しい団体でメンバーとして一緒に活動してくれています。2017年に団体を作ってから僕がメインで動いていたんですけれども4年目から事務局部門を作りました。考えをメンバーに伝えることを意識しています。
GRANTは、自分たちの考えてること、思いをちゃんと参加者と共有できると成果もめちゃくちゃ上がると思っています。僕たちと参加者の方はお互いに使っている言語が違う。僕たちの当たり前は相手に伝わらないし、相手の当たり前がこっちも伝わらないので、そこを共有する時間をしっかり作ってからスタートするっていうのが面白いんじゃないかなと思ってます。
団体として7つのプロジェクトに支援していただいたので、僕も参加者として別の団体のプロジェクトの支援をしています。GRANTを使ったことによって、僕自身も成長させていただきました。


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[コーディネーター部門] ベストコーディネーター賞
ちょこっとプロボノ@府中
今池真能さん

マッチングしたプロジェクトが最も多いコーディネーターに贈呈する「ベストコーディネーター賞」は、ちょこっとプロボノ@府中さまが計11プロジェクトという実績で受賞されました。

今池さんの受賞コメント
府中市市民活動センタープラッツの今池と申します。ベストコーディネーターという賞をいただいて大変嬉しく思っております。府中市市民活動センターは、京王線府中駅の駅直結で、技術や経験を市民活動で活かしていただく支援やソーシャルビジネス、コミュニティビジネスのサポートをしている公共施設です。「プラッツ」はドイツ語で広場という意味で、いろんな人に来ていただいてお互いの交流を深めてほしいと願いを込めた名称になっています。
プラッツとしてGRANTに取り組むにあたっては、どういった形で進めていくのかっていうのは正直もわからない状態で始めました。もともとプロボノは、グループでの活動がメインだったと思いますけれども、GRANTは個人と団体が繋がるということでより動きやすいマッチング方法になると思って採用させていただきました。もう一つ、細かいプロジェクトで団体が募集をかけられるということが大きなメリットと感じました。自分たちの団体の課題がまずわからないという団体がかなりの数いらっしゃいましたので、細かいプロジェクトにしていくというプロセスを踏むことによって、自分たちの団体がどういう問題を抱えてるのかというのがより可視化されるということもありました。プロジェクトを細かく挙げることで自分たちの団体の改善点というのもわかってくるということで、仕組みとしてとてもいいなと思って採用させていただいています。
昨年度は、まず4月に団体の説明会と悩みを見える化するワークショップを実施しました。団体の悩みを整理する機会になったと思います。5月には、団体だけではなく府中市内の方を対象にプロボノワーカー向けの説明会を実施しました。7月には中間発表会ということで、登録をしてプロジェクトを挙げていただいた団体の皆さんに、どのように活用しているのか、どういう成果ができているのかというところを発表していただく機会を作り、さらにマッチング会を実施しました。12月には実施報告会を実施して1年間で団体としてどんな成果があったのか、この後どうやってGRANTを使っていくのかという話をしていただくという機会を作りました。ちょこっと支援してほしい!とか、ちょこっとやってみたい!ことを、お互いに無理なく取り組むことをやれたことがよかったと思います。プロジェクトに関わることによって、団体のメンバーとして市民活動を始めたり、団体を設立した方もいらっしゃいましたので、市民活動への興味を持つ機会になったこともよかったと思っています。
昨年度の経験をふまえて、今年度は団体向けの説明会に加えて登録会を実施しました。高齢者の団体さんにとっても団体登録のハードルが下がって団体数が増えているという状態です。これからも団体、プロジェクトがどんどん増えていくのかなというふうに思っております。


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