PROFILE
KOBEプロボノ・コミュニティは、兵庫県神戸市のプロボノ事業に関わったメンバーが中心となって活動している団体です。
※「KOBEプロボノ・コミュニティ」のコーディネーター紹介ページはこちらからご覧いただけます。
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活動を開始した2024年に8件のプロジェクト・オンライン相談を完了。コーディネーターの立ち上げの経緯から事例、団体のプロボノ活用をはじめの1歩をひと押しするポイントなどについてお話を伺いました。2025年1月29日に開催した第4回コーディネーター事例共有会のお話しを再構成してご紹介します。
KOBEプロボノ・コミュニティの活動紹介
私個人の自己紹介をすると、2017年にサービスグラントに入職し、ソーシャルセクターにはこれまで約11年かかわっています。もともとはウェブ制作ディレクターとしてプロジェクト管理やプロジェクトマネジメントの経験があるという背景があります。「中間支援」に関心があり、住まいは大阪ですが神戸でプロボノのコーディネーターをやっています。
KOBEプロボノ・コミュニティは任意団体です。運営メンバー3名を含む10名で活動しています。2024年にスタートし、1月にGRANTのコーディネーター登録、3月にはGRANTで最初の募集記事を公開しこれまでに8本のプロジェクト、オンライン相談が完了となりました。
発足の背景として、2018年から3年間実施した「神戸ソーシャルブリッジ」という神戸市の事業があります。当時、私はサービスグラントのスタッフとして事務局を担当していました。KOBEプロボノ・コミュニティではその時のメンバーが一緒に活動しています。
事業では、神戸市在住や神戸市にゆかりのある100名ぐらいの方がプロボノとして参加くださったんです。事業としては終了し、その後の接点がない状況のなかで個人的なつながりでいろんな話が聞こえてきました。
プロボノ経験者の何人かは支援先団体の理事になっていたり、非営利団体の立ち上げをしたり、広報の勉強会をしたりと何かしら活動している状況があることがだんだんわかってきて、プロボノをして終わりではなく、プロボノをきっかけに自分たちでいろいろな活動を始めるという成果に結びついたという感覚が得られたのでよかったと思いました。
つながっているプロボノメンバーだけでなくNPOの人からも「何かやらないんですか?」といった問い合わせが数件あったので、とにかく何か機会を作りたいと思っていました。
仲間とまた何かしたいというのもありますし、こういった動きをNPOの支援につなげていきたい、そのような背景のあるコミュニティになっています。
実質、GRANTの運用についてはほぼ私が1人で回してるという状況です。
これから、完了した3つの団体の事例をご紹介します。
KOBEプロボノ・コミュニティは任意団体です。運営メンバー3名を含む10名で活動しています。2024年にスタートし、1月にGRANTのコーディネーター登録、3月にはGRANTで最初の募集記事を公開しこれまでに8本のプロジェクト、オンライン相談が完了となりました。
発足の背景として、2018年から3年間実施した「神戸ソーシャルブリッジ」という神戸市の事業があります。当時、私はサービスグラントのスタッフとして事務局を担当していました。KOBEプロボノ・コミュニティではその時のメンバーが一緒に活動しています。
事業では、神戸市在住や神戸市にゆかりのある100名ぐらいの方がプロボノとして参加くださったんです。事業としては終了し、その後の接点がない状況のなかで個人的なつながりでいろんな話が聞こえてきました。
プロボノ経験者の何人かは支援先団体の理事になっていたり、非営利団体の立ち上げをしたり、広報の勉強会をしたりと何かしら活動している状況があることがだんだんわかってきて、プロボノをして終わりではなく、プロボノをきっかけに自分たちでいろいろな活動を始めるという成果に結びついたという感覚が得られたのでよかったと思いました。
つながっているプロボノメンバーだけでなくNPOの人からも「何かやらないんですか?」といった問い合わせが数件あったので、とにかく何か機会を作りたいと思っていました。
仲間とまた何かしたいというのもありますし、こういった動きをNPOの支援につなげていきたい、そのような背景のあるコミュニティになっています。
実質、GRANTの運用についてはほぼ私が1人で回してるという状況です。
これから、完了した3つの団体の事例をご紹介します。
事例1(NPO法人命と性の相談室)
最初にご紹介するのは、神戸のNPO法人命と性の相談室という、正しい性教育を広めるために活動されている団体さんです。
プロボノとご一緒するのは初めての団体さんで、当時は猫の手も借りたいというほど緊急性がある状況でした。最初の団体登録で時間を取ってもらった時に、「GRANTはこういうふうに使います」というお話をしっかりできたので団体さんの不安を払拭したり、安心感を高めることができたと思います。
募集記事の公開は2024年の4月から6月に集中して、5件のプロジェクト・オンライン相談の募集をスタートしました。主には団体の代表の方が1人で行っている広報面の課題についてお話を聞いていました。
メッセージのやり取りでは話が細かくなってしまいますし、時間がかかってしまうので、都度オンラインミーティングをしながらやり取りをしました。
お話を聞きながら整理した結果、「チラシ作成・PRのアドバイス」「シンポジウムのPR方法の検討」「広報PRのアドバイス」という3本の募集記事を立ち上げました。話題は似てるんですが、やろうとしてるタイミングや考えていることが少しずつ違っていたので、チラシに関して「作成のアドバイス」「表現に関するアドバイス」「集客のアドバイス」という3つの募集記事に分散させました。プロボノワーカーの対応範囲としてはもしかしたら1人で全部できる内容だったかもしれませんが、タイミングのずれもあったので3つに分けての募集となりました。
その中の2つについては「オンライン相談」を活用しました。目の前のイベントに関するチラシを作りたいという話だったので、とにかく1、2時間単発でお話聞いて解決できることがいいという判断でオンライン相談という方法をとりました。
他に「ホームページの作成・管理ツールの設定」というプロジェクトがありました。団体さんはホームページの管理を外注されていたのですが、コストに課題があって「移設を検討したいけれどどうしたらいいのかさっぱりわかりません」という話題がスタート地点でした。
お話を聞いていきますと、確かにコストという課題はあるのですが、そもそも「更新、管理が自分でしにくい、よくわからない」というお話やもっとホームページの表示をこうしたいといった話題などいろんなことが混在している状態でした。
プロジェクト化するには課題の切り分けをしていく必要があるので、ホームページに専門性がある人とまず出会って1回状況を知ってもらうというステップを踏み、その後にプロジェクト化するというやり方が良いという判断をしましてこちらもオンライン相談を活用しました。
それから、「紙芝居の構成作成サポート」というプロジェクトがあります。これは性教育に関する紙芝居を大学と連携して作るというお話があって、紙芝居の制作を手伝ってくれる人を探していますという話題がスタートでした。
内容、制作体制、スケジュール感といろいろ聞きながら、結局何をお願いしたいかというところを割り出していったら「構成について一緒に考えてほしい」というところに着地して、構成作成のサポートいう内容で設定しました。
3、4ヶ月で怒涛のように5本の募集記事を立ち上げたというところは、KOBEプロボノ・コミュニティの始まりの1歩として印象に残っています。
※【ご参考】「プロジェクト」と「オンライン相談」について
「プロジェクト」は最長3か月程度という期間で何回か打ち合わせを重ねて1つの成果物を作っていくもの。一方、「オンライン相談」は、数時間、1日限りで終了する、オンライン上で相談ができるプログラムです。1回限りのオンラインでのアドバイスをもらう機会ということになりますので、団体さんとしても最初の1歩が踏み出しやすいし、参加する側も1回だけならというところが関わりやすいようなスタイルになっています。
NPO法人命と性の相談室さんの募集記事
プロボノとご一緒するのは初めての団体さんで、当時は猫の手も借りたいというほど緊急性がある状況でした。最初の団体登録で時間を取ってもらった時に、「GRANTはこういうふうに使います」というお話をしっかりできたので団体さんの不安を払拭したり、安心感を高めることができたと思います。
募集記事の公開は2024年の4月から6月に集中して、5件のプロジェクト・オンライン相談の募集をスタートしました。主には団体の代表の方が1人で行っている広報面の課題についてお話を聞いていました。
メッセージのやり取りでは話が細かくなってしまいますし、時間がかかってしまうので、都度オンラインミーティングをしながらやり取りをしました。
お話を聞きながら整理した結果、「チラシ作成・PRのアドバイス」「シンポジウムのPR方法の検討」「広報PRのアドバイス」という3本の募集記事を立ち上げました。話題は似てるんですが、やろうとしてるタイミングや考えていることが少しずつ違っていたので、チラシに関して「作成のアドバイス」「表現に関するアドバイス」「集客のアドバイス」という3つの募集記事に分散させました。プロボノワーカーの対応範囲としてはもしかしたら1人で全部できる内容だったかもしれませんが、タイミングのずれもあったので3つに分けての募集となりました。
その中の2つについては「オンライン相談」を活用しました。目の前のイベントに関するチラシを作りたいという話だったので、とにかく1、2時間単発でお話聞いて解決できることがいいという判断でオンライン相談という方法をとりました。
他に「ホームページの作成・管理ツールの設定」というプロジェクトがありました。団体さんはホームページの管理を外注されていたのですが、コストに課題があって「移設を検討したいけれどどうしたらいいのかさっぱりわかりません」という話題がスタート地点でした。
お話を聞いていきますと、確かにコストという課題はあるのですが、そもそも「更新、管理が自分でしにくい、よくわからない」というお話やもっとホームページの表示をこうしたいといった話題などいろんなことが混在している状態でした。
プロジェクト化するには課題の切り分けをしていく必要があるので、ホームページに専門性がある人とまず出会って1回状況を知ってもらうというステップを踏み、その後にプロジェクト化するというやり方が良いという判断をしましてこちらもオンライン相談を活用しました。
それから、「紙芝居の構成作成サポート」というプロジェクトがあります。これは性教育に関する紙芝居を大学と連携して作るというお話があって、紙芝居の制作を手伝ってくれる人を探していますという話題がスタートでした。
内容、制作体制、スケジュール感といろいろ聞きながら、結局何をお願いしたいかというところを割り出していったら「構成について一緒に考えてほしい」というところに着地して、構成作成のサポートいう内容で設定しました。
3、4ヶ月で怒涛のように5本の募集記事を立ち上げたというところは、KOBEプロボノ・コミュニティの始まりの1歩として印象に残っています。
※【ご参考】「プロジェクト」と「オンライン相談」について
「プロジェクト」は最長3か月程度という期間で何回か打ち合わせを重ねて1つの成果物を作っていくもの。一方、「オンライン相談」は、数時間、1日限りで終了する、オンライン上で相談ができるプログラムです。1回限りのオンラインでのアドバイスをもらう機会ということになりますので、団体さんとしても最初の1歩が踏み出しやすいし、参加する側も1回だけならというところが関わりやすいようなスタイルになっています。
事例2(NPO法人日本シニアデジタルサポート協会)
次にお話するのは、 NPO法人日本シニアデジタルサポート協会さんの事例です。こちらの団体は、高齢になると人と人とのつながりが減って孤独感から生きがいを見失ってしまうという課題をデジタルの力で解決しようという活動をしています。
代表の方が看護師のお仕事をしているときに高齢者のケアをする中で、体力低下や持病、感染症予防のため外出が難しい方が多いと実感され、誰でも安心して参加できる「オンラインの居場所」を作り、社会とのつながりを提供したいと考えられて始った活動です。
こちらの団体については、「システム開発の基本的な流れのレクチャー」というプロジェクトを実施しました。
ITやデジタルの力で解決していくところをコンセプトにしてる団体なので、最初はアプリの開発をしたいという話題が出てきました。ところが、団体の方はさほどITやデジタルに強くないという背景がある。開発の件でIT企業の方々と話をするにしても、専門用語が出てくるとわからないし、そもそもシステムが作られるプロセスの知識も不足していました。そういった状況があったので、団体からは「今後やりたいと思っていることについて、知識不足がありとても不安です」という話がありました。
お話を聞いていて、ある程度の知識のすり合わせが少しでもできるようになるといい、なので普段はシステム開発をしているプロボノの方に「システム開発がそもそもどういう流れで進むものなのかというところのレクチャーをしてもらったらどうでしょうか。そこを少しでも理解ができれば、これから業者さんと話すときにお話しやすくなりますよ」ということを提案したら、ぜひそれをやってみたいっていうお話になりまして、このプロジェクトに至ったという経緯です。
1回目のミーティングでは全体的なヒアリングをさせてもらって、何がわかれば話がしやすくなるかっていうところを明らかにした上で、2週間くらいでプロボノの方に資料作成をしてもらって、2回目のミーティングでシステム開発の手法やプロセス、タスクについて1時間半ぐらいレクチャーしてもらって。アフターフォローもした方がいいですよねというところでもう1回ミーティングの時間を設定し合計3回のミーティングで完了しました。
自分としても、今すぐ使う成果物ではなく知識を学ぶための成果物というプロジェクトは初めてでした。団体さんから本当に感謝されましたので、ニーズへのアンサーとしてすごくフィットしたものだったことが印象に残っています。実際にその後「外の業者さんと話がしやすくなっている」という連絡も来ていますので、非常に良かったという事例になりました。
代表の方が看護師のお仕事をしているときに高齢者のケアをする中で、体力低下や持病、感染症予防のため外出が難しい方が多いと実感され、誰でも安心して参加できる「オンラインの居場所」を作り、社会とのつながりを提供したいと考えられて始った活動です。
NPO法人日本シニアデジタルサポート協会さんの募集記事
こちらの団体については、「システム開発の基本的な流れのレクチャー」というプロジェクトを実施しました。
ITやデジタルの力で解決していくところをコンセプトにしてる団体なので、最初はアプリの開発をしたいという話題が出てきました。ところが、団体の方はさほどITやデジタルに強くないという背景がある。開発の件でIT企業の方々と話をするにしても、専門用語が出てくるとわからないし、そもそもシステムが作られるプロセスの知識も不足していました。そういった状況があったので、団体からは「今後やりたいと思っていることについて、知識不足がありとても不安です」という話がありました。
お話を聞いていて、ある程度の知識のすり合わせが少しでもできるようになるといい、なので普段はシステム開発をしているプロボノの方に「システム開発がそもそもどういう流れで進むものなのかというところのレクチャーをしてもらったらどうでしょうか。そこを少しでも理解ができれば、これから業者さんと話すときにお話しやすくなりますよ」ということを提案したら、ぜひそれをやってみたいっていうお話になりまして、このプロジェクトに至ったという経緯です。
プロジェクト「システム開発の基本的な流れのレクチャー」の成果物
1回目のミーティングでは全体的なヒアリングをさせてもらって、何がわかれば話がしやすくなるかっていうところを明らかにした上で、2週間くらいでプロボノの方に資料作成をしてもらって、2回目のミーティングでシステム開発の手法やプロセス、タスクについて1時間半ぐらいレクチャーしてもらって。アフターフォローもした方がいいですよねというところでもう1回ミーティングの時間を設定し合計3回のミーティングで完了しました。
自分としても、今すぐ使う成果物ではなく知識を学ぶための成果物というプロジェクトは初めてでした。団体さんから本当に感謝されましたので、ニーズへのアンサーとしてすごくフィットしたものだったことが印象に残っています。実際にその後「外の業者さんと話がしやすくなっている」という連絡も来ていますので、非常に良かったという事例になりました。
事例3(認定NPO法人まなびと)
3つ目は認定NPO法人まなびとさんの事例です。神戸市に北野という外国人が多いエリアがあり、こちらで子どもや外国人の居場所づくりを行っている団体です。
神戸市では企業版ふるさと納税制度で、応援したい活動をしている団体を選択して寄付ができる仕組みがあり、団体側では寄付依頼の活動の中で企業への働きかけをしていきたいという気持ちがありました。一方で、これまで企業との協働をそんなに積極的にしている団体ではなかったですし、代表の方も企業勤めをした経験がないということもあり、そういうところに明るい、例えば企業の経理部門や投資部門の人に話を聞いてみたいということになりました。
まず壁打ちしてもらうのがいい、自分の考えをぶつけながら、フィードバックをもらうというキャッチボールができるのがありがたいということだったので、これに関してはオンライン相談(「企業とのコミュニケーションに関する壁打ち」)で行きましょうというところですっと決まりました。
団体さんのニーズにジャストフィットする設定ができたなと思いますし、実際にプロボノの方も見つかりましたので、すごくうまくいったなという感覚があります。企業のことは企業の中の人に聞くのがいいという体験にもなりましたので紹介させていただきました。
認定NPO法人まなびとさんの募集記事
神戸市では企業版ふるさと納税制度で、応援したい活動をしている団体を選択して寄付ができる仕組みがあり、団体側では寄付依頼の活動の中で企業への働きかけをしていきたいという気持ちがありました。一方で、これまで企業との協働をそんなに積極的にしている団体ではなかったですし、代表の方も企業勤めをした経験がないということもあり、そういうところに明るい、例えば企業の経理部門や投資部門の人に話を聞いてみたいということになりました。
まず壁打ちしてもらうのがいい、自分の考えをぶつけながら、フィードバックをもらうというキャッチボールができるのがありがたいということだったので、これに関してはオンライン相談(「企業とのコミュニケーションに関する壁打ち」)で行きましょうというところですっと決まりました。
団体さんのニーズにジャストフィットする設定ができたなと思いますし、実際にプロボノの方も見つかりましたので、すごくうまくいったなという感覚があります。企業のことは企業の中の人に聞くのがいいという体験にもなりましたので紹介させていただきました。
団体のプロボノ活用を後押しするにあたって心がけている3つのこと
ここまで3つの団体の事例を紹介しました。ここからは、団体のプロボノ活用を後押しするにあたって心がけていることについて3点お伝えしたいと思います。
1 場づくりの工夫
スタート時に困ったのは、団体さんに対して、グラント(GRANT)、プロボノ、プロジェクトといったカタカナを並べてお話ししてもなかなか伝わらなかったことです。いきなり、「GRANTはこういうことができる仕組みです」とか、「こんな課題解決をしませんか」というソリューション提供から入るというより、きちんと団体さんと関係性を作ることから始めた方がいいんじゃないかと思っていました。
もっと知ってもらいたい、でも説明会はちょっと違うかもしれないという感覚がある中で、2024年8月に「プロボノ経験者のコミュニティがあるので壁打ち会に来ませんか」というお誘いの機会を持ちました。
団体の中には、「いろんなことをしたいけどどうしたらいいかわからない」という方も多いと思ったので、NPOの支援経験がある人たちと1回話してみることで一歩でも先に進めばいい、話に来ませんかとお誘いしました。お茶会にも近い気軽な場としての開催です。
団体の方にお話をしたら、プロボノやGRANTを前に出すよりも反応が良く、イベントとしてすごくやりやすかったです。当日は5団体に来ていただき、プロボノが2名くらいのチームに分かれてそれぞれの団体にお話を聞く機会となりました。
※「壁打ち会」当日のレポートはこちらからお読みいただけます。
まだ答えはないのですが、場づくりというところで、プロボノ、GRANT(グラント)、プロジェクト以外のどんな表現ができるかを模索するというところをテーマとして考えています。
2 早いタイミングで団体と話をする
コーディネーターとして団体さんとはオンライン、対面を問わず1度はお話をする。メッセージのやり取りだけで終わらせないというところはかなり意識しているので、「1回話しませんか」ということを割と早いタイミングで声掛けするようにしています。
メッセージは効率的にやりとりができるのですが、表現しきれない、伝えきれない部分もあります。支援内容を具体的にしていくにはどうしてもこちらからの細かい質問が増えてしまうので、メッセージより話した方が早い。何よりも熱量がつかみにくいところがコミュニケーション上はネックになると思ってます。コミュニケーションも一定の相互信頼や関係性がある程度あることが大事だと思うので話をすることはかなり強く意識をしています。
3 かかわりあうことの価値を伝える
団体にとって、プロボノのメリットはコストや専門性を活かした成果物で評価されると思いますが、それだけでなく、かかわり合うことや共に取り組むことの価値をもっと伝えたいと思っています。例えば3ヶ月のプロジェクトを行うことは、その団体の良き理解者作りにつながる、プロジェクトが終わった後もかかわりを続けたり、寄付者になることもあると思うんです。
ファンドレイジング(資金調達)ではドナーピラミッドという考え方があります。支援者との関係性を段階的に高めていきましょうというものですが、プロボノのプロジェクトは短期間でかなり深い関係を築くことにつながります。今後はそういったところを団体さんに理解してもらえるよう伝えていきたいと思っています。
1 場づくりの工夫
スタート時に困ったのは、団体さんに対して、グラント(GRANT)、プロボノ、プロジェクトといったカタカナを並べてお話ししてもなかなか伝わらなかったことです。いきなり、「GRANTはこういうことができる仕組みです」とか、「こんな課題解決をしませんか」というソリューション提供から入るというより、きちんと団体さんと関係性を作ることから始めた方がいいんじゃないかと思っていました。
もっと知ってもらいたい、でも説明会はちょっと違うかもしれないという感覚がある中で、2024年8月に「プロボノ経験者のコミュニティがあるので壁打ち会に来ませんか」というお誘いの機会を持ちました。
団体の中には、「いろんなことをしたいけどどうしたらいいかわからない」という方も多いと思ったので、NPOの支援経験がある人たちと1回話してみることで一歩でも先に進めばいい、話に来ませんかとお誘いしました。お茶会にも近い気軽な場としての開催です。
団体の方にお話をしたら、プロボノやGRANTを前に出すよりも反応が良く、イベントとしてすごくやりやすかったです。当日は5団体に来ていただき、プロボノが2名くらいのチームに分かれてそれぞれの団体にお話を聞く機会となりました。
※「壁打ち会」当日のレポートはこちらからお読みいただけます。
まだ答えはないのですが、場づくりというところで、プロボノ、GRANT(グラント)、プロジェクト以外のどんな表現ができるかを模索するというところをテーマとして考えています。
2 早いタイミングで団体と話をする
コーディネーターとして団体さんとはオンライン、対面を問わず1度はお話をする。メッセージのやり取りだけで終わらせないというところはかなり意識しているので、「1回話しませんか」ということを割と早いタイミングで声掛けするようにしています。
メッセージは効率的にやりとりができるのですが、表現しきれない、伝えきれない部分もあります。支援内容を具体的にしていくにはどうしてもこちらからの細かい質問が増えてしまうので、メッセージより話した方が早い。何よりも熱量がつかみにくいところがコミュニケーション上はネックになると思ってます。コミュニケーションも一定の相互信頼や関係性がある程度あることが大事だと思うので話をすることはかなり強く意識をしています。
3 かかわりあうことの価値を伝える
団体にとって、プロボノのメリットはコストや専門性を活かした成果物で評価されると思いますが、それだけでなく、かかわり合うことや共に取り組むことの価値をもっと伝えたいと思っています。例えば3ヶ月のプロジェクトを行うことは、その団体の良き理解者作りにつながる、プロジェクトが終わった後もかかわりを続けたり、寄付者になることもあると思うんです。
ファンドレイジング(資金調達)ではドナーピラミッドという考え方があります。支援者との関係性を段階的に高めていきましょうというものですが、プロボノのプロジェクトは短期間でかなり深い関係を築くことにつながります。今後はそういったところを団体さんに理解してもらえるよう伝えていきたいと思っています。
募集記事作成のサポートのコツ
プロボノをやってみようと思って団体登録を終えた団体さんの次の課題、壁はプロジェクトの募集記事を作るというところになると思います。こちらのサポートに関して考えていることを2点ご紹介します。
1 一気に解決しようとしない
先ほどの日本シニアデジタルサポート協会さんでいうと、アプリを開発したいという希望に対してアプリの開発者をいきなり探すことは考えない、というところです。
実現したいことに対して、どういうステップが必要になるのかというところをまずイメージすることが大事だと思っています。アプリを作りたいにしても、いろんなステップがあるわけです。このステップの一体どこにつまずいてるのかというのを見極めて、つまずいてるポイントでちょっとでも動けるようにサポートすることを念頭に置いています。
団体さんは課題が山積みで、あれもこれもという状況はあるんですけれども、ひとまとめに取り組んで一気に解決っていうのは難しいので、全体量が100あるとしたら、25ずつ区切りの良いとこで分割することで取り組みやすくしましょう、というようなことが「一気に解決しようとしない」ということです。
2 オンライン相談で自由に話せる場をセッティング
GRANTの使い方では比較的「オンライン相談推し」だと思います。団体の話を聞いていると、達成したいアウトプットは決まっているものの、いろいろ話してみたいという要望が見え隠れしている時があって、とにかく1回誰かに話してもらう方がスッキリするということもあるように思っています。
団体さんから話を聞いてステップをイメージできたとしても、もしかしたらそれが団体さんにフィットするとは限らないと思うことがあります。お話を整理すると、そういうことなのかもしれないけどなんか違うとか、私がしたいことはそういうことじゃないということもあったりします。
そんな時は、自由に話せる場を作る方が団体さんにはフィットすることになると思うので「オンライン相談」を勧めることが多いです。お話する機会があったら、半分ぐらいは「それだったらオンライン相談がいいです」と言っているように思います。
1 一気に解決しようとしない
先ほどの日本シニアデジタルサポート協会さんでいうと、アプリを開発したいという希望に対してアプリの開発者をいきなり探すことは考えない、というところです。
実現したいことに対して、どういうステップが必要になるのかというところをまずイメージすることが大事だと思っています。アプリを作りたいにしても、いろんなステップがあるわけです。このステップの一体どこにつまずいてるのかというのを見極めて、つまずいてるポイントでちょっとでも動けるようにサポートすることを念頭に置いています。
団体さんは課題が山積みで、あれもこれもという状況はあるんですけれども、ひとまとめに取り組んで一気に解決っていうのは難しいので、全体量が100あるとしたら、25ずつ区切りの良いとこで分割することで取り組みやすくしましょう、というようなことが「一気に解決しようとしない」ということです。
2 オンライン相談で自由に話せる場をセッティング
GRANTの使い方では比較的「オンライン相談推し」だと思います。団体の話を聞いていると、達成したいアウトプットは決まっているものの、いろいろ話してみたいという要望が見え隠れしている時があって、とにかく1回誰かに話してもらう方がスッキリするということもあるように思っています。
団体さんから話を聞いてステップをイメージできたとしても、もしかしたらそれが団体さんにフィットするとは限らないと思うことがあります。お話を整理すると、そういうことなのかもしれないけどなんか違うとか、私がしたいことはそういうことじゃないということもあったりします。
そんな時は、自由に話せる場を作る方が団体さんにはフィットすることになると思うので「オンライン相談」を勧めることが多いです。お話する機会があったら、半分ぐらいは「それだったらオンライン相談がいいです」と言っているように思います。
今後はコミュニティの特性を打ち出していきたい
KOBEプロボノ・コミュニティは、今後もプロボノプロジェクトをやっていくことは変わりなく、プロジェクトをやるならGRANTを活用していくと思います。というのは、神戸界隈でやっていきたいけれども、プロボノの参加者を集めることになかなか労力を向けられないので、全国のGRANTの参加登録者の協力が欠かせないという現状があるからです。
リソースとしては、神戸で仲間が見つけられなくても他の地域から手を挙げてもらえるところは本当にありがたいのでそこはしっかりGRANTの仕組みを活用していきたいと思っています。
そして、僕ら自身は、なんでもやるというよりも専門性、特性を出していけるようにしたいと考えています。
例えば、課題整理が得意ですとか、ITが得意なメンバーが何人かいるのでそういう話を専門的に聞けます、といった打ち出し方をしていけたらと思っていて、そうすることで地域の中でもGRANTの中でも存在感を出せるのではないかと思っているところです。
リソースとしては、神戸で仲間が見つけられなくても他の地域から手を挙げてもらえるところは本当にありがたいのでそこはしっかりGRANTの仕組みを活用していきたいと思っています。
そして、僕ら自身は、なんでもやるというよりも専門性、特性を出していけるようにしたいと考えています。
例えば、課題整理が得意ですとか、ITが得意なメンバーが何人かいるのでそういう話を専門的に聞けます、といった打ち出し方をしていけたらと思っていて、そうすることで地域の中でもGRANTの中でも存在感を出せるのではないかと思っているところです。
<当日の質疑応答より>
Q:コーディネーター側が「オンライン相談」に委ねるタイミングや基準はありますか。
A:まだ傾向のようなものはないんですけれど、大体30~40分の話の中でプロジェクトが難しそうだと思ったら、1回詳しい人を見つけませんかと「オンライン相談」に話に持っていくように思います。
プロジェクト設計に時間をかけるより、1回オンライン相談で話せた方が早い時は結構ありますし、その方が団体さんも満足感というか、進められる気になる。だから、割と早いタイミングでオンライン相談を勧めているかもしれません。
オンライン相談で対応してくださった方が引き続き担当してくれることを期待してるところも少しはあったりはします。意外とそうなるケースは少なくないと思っています。 もしも、オンライン相談を担当したプロボノの方とはそこで終了となった場合はこちらで状況を聞きながら、どういうふうに組み立てたらいいのかというところは寄り添う時間を取る必要があると思います。できれば1時間のミーティングで話を整理して、プロジェクトとしてはこういう要素を入れていけば記事としては作りやすいんじゃないですかという下書きを準備してご提案するっていう感じにすると思います。
※掲載内容は2025年1月29日開催「コーディネーター事例共有会」でのご発表を再構成しています。
A:まだ傾向のようなものはないんですけれど、大体30~40分の話の中でプロジェクトが難しそうだと思ったら、1回詳しい人を見つけませんかと「オンライン相談」に話に持っていくように思います。
プロジェクト設計に時間をかけるより、1回オンライン相談で話せた方が早い時は結構ありますし、その方が団体さんも満足感というか、進められる気になる。だから、割と早いタイミングでオンライン相談を勧めているかもしれません。
オンライン相談で対応してくださった方が引き続き担当してくれることを期待してるところも少しはあったりはします。意外とそうなるケースは少なくないと思っています。 もしも、オンライン相談を担当したプロボノの方とはそこで終了となった場合はこちらで状況を聞きながら、どういうふうに組み立てたらいいのかというところは寄り添う時間を取る必要があると思います。できれば1時間のミーティングで話を整理して、プロジェクトとしてはこういう要素を入れていけば記事としては作りやすいんじゃないですかという下書きを準備してご提案するっていう感じにすると思います。